2018年9月。名古屋・埼玉にて
丸1日7時間という長丁場の
セミナー、「超実践的プログラ
ム作成塾」が無事終了しました。
どちらも10名ほどの方が受講
してくださり、皆さんの熱気が
よく伝わる嬉しい経験となりま
した。
このセミナーを通して、改めて
感じた、「現場でスポーツに関
わる専門家」が必要なものに
ついて書いていきます。
人の脳は疲れやすくできていて、
できる限り効率化して物事を
処理しようとするものだそう。
そんな脳の特性を理解した上で、
我々は日々「自分の頭できちんと
物事を考える」ということを
意識しないといけない。
脳を甘やかさない!という強い
気持ちが必要です。
ヒントや参考になるものを探す
のは全く悪いことではありません。
しかし、
「…で、結局どうしたらいいで
しょうか?」
という姿勢の大人が増えた気がし
ているのは、私だけではないはず。
先日、週末に丸二日間をかけて参加
した研修。この中でのグループワー
クがあったときに、改めて最近の傾
向を実感したものです。
手軽に検索できて、なんでも少しリ
サーチすれば情報が溢れている今。
この弊害を無意識で受けているのは、
子供ではなく我々、30代以上の大人
なのではないでしょうか。
大前提として、我々が肝に命じてお
くべきこと。
それは「世の中のあらゆるものに
おいて、明らかな答えがあるもの
の方が、圧倒的に少ない」という
当たり前の事実です。
こうしたら成功する。こんなサー
ビスを提供したら確実に喜ばれる。
このセオリーさえマスターすれば、
万事うまくいく。
今、私達が直面している日々の問
題の中で、上に挙げたようなこと、
どれくらいありますか?
結果論としてうまくいった方法だ
けであれば、巷に溢れています。
ある程度、うまくいく確率を上げ
る知識や法則もあるでしょう。
…何をもってうまくいったのか、
その定義こそ大事なんですが、
それはおいておくとしても。
わかりやすいクイズの解答みたいな
ものは、大人になって日々生きてい
る我々には、ほとんどない。
この認識からスタートすべきです。
あ、答えがわかった。
一度脳がそう判断したら。
このバイアスから抜け出し、自分自
身の判断で考えるのは、とても困難
になります。
誰かがいったり、どこかのサイトに
書いてあることを鵜呑みにして、
わかったような気になるのは、怖い
ことですよね。
…そんなこと言ったって、自分の頭
のなかだけでわからないことが解決
するわけじゃないでしょ?
そんな意見を持つ方もいるでしょう。
当然だと思います。
わからないこと、未知なことを調べ
たり、聞くことは必要だし、いいこ
とです。これは間違いない。
しかし、例えば…
[box class=”red_box” title=”危険な状況”]
・得た情報や知識を、何のフィルター
も通さずにコピー&ペーストして、さ
も自分の意見かのように振る舞う。
・必ず何らかの答えらしき結論を出さ
なくてはいけない、という固定概念か
ら抜けられず、そのことに気づいてさ
えいない。
こんな状況は、我々の成長を邪魔する
し、未来の可能性も潰してしまいかね
ません。
あなたじゃなくても、その(受け売り
の)情報や意見は、スマホで検索すれ
ばすぐに出てくるんですから。
究極を言えば、結論めいたものを
出すことが、自分の頭で考えるこ
との目的ではないんですよね。
考えること、そのものに意味があ
り、学びがあるんです、きっと。
いろいろ調べて学んで、必死に考
えた。
考えるほどにいろいろな思いや問
題点がでてきて、全然考えがまと
まらない。
…こんな経験は絶対必要だし、わ
かったような気になって、浅く上
澄み液を持つだけをすくったよう
な情報を得ることの何倍も価値が
ある。
確信を持ってそう思います。
自ら考える習慣を養う1番のコツ
は、飛び込んできた情報に反応
しない、ということ。
反射的に反応してしまうと、俯瞰し
た視点や情報の妥当性、といった
要素がふっとんじゃうんです。
トレーニングプログラム作成。ガラ
ッと話が変わりますが、結局この作
業の際にも、今回お伝えしているよ
うな考え方が大切。
原理原則をしっかりと理解すること
が大前提ですが、(トレーニング
プログラム作成に欠かせない5大
原則+1 ド定番だからこそ理解
しておくべき原理原則))
リアルに使える実践的な計画を
立てられるかどうかは、この思考に
かかっているのだと思います。
「仮説力」。こんな言葉はないけれ
ど、自ら大事にしている能力です。
超実践的プログラム作成塾、という
嬉しいセミナーを終えましたが、こ
のタイトルも正確には、「リアルな
現状に即したプログラム作成」とい
うべきかもしれません。
頭から汗をかきながら、煙を出しつ
つ、情報を駆使してイメージする。
自ら立脚した仮説を基にして、どん
なスクリーニングやエクササイズを
選択すれば、その仮説に対する
フィードバックとなりうるかに
頭を巡らせる。
そんなフレームワークを身につけら
れれば、現場に携わるトレーナーと
してのレベルは数段上がるはずです。
正確があれば楽だけど存在しない。
正確が何かは教えてくれないけど、
間違いはたくさん存在する。
何やら理不尽な命題ですが、The
best of bettersを探すことを諦めない。
不安の中に手を突っ込んで、自分
の頭で考えることをサボらないよ
うにしたいもの。
タフなことですけれど…。
長年温めていたコンセプトでの
セミナー。
自分としての手応えもありました
ので、今後も平日夜に単発2時間、
などとバリエーションを変えつつ、
継続していこうと思っています。
本当にクライアントに役立つプロ
グラム作成のポイントをつかみた
いし、他の人と意見交換しながら、
レベルをあげたい!
そんな人は次回以降、ぜひご参加
ください。