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子どもがスポーツを楽しむために大人ができること

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ふと頭をよぎった言葉を備忘録的にTwitterに呟く。

思いがけずに多くの方からリアクションをいただく、という経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。

その一つが以下のようなツイートです。

本日は『スポーツを生かせ、スポーツに頼るな』といった結論にしたいのですが、「子どもがスポーツを楽しむために大人ができること」というお話をさせてください。

女子フィギュアのドーピング問題

気がつけば2年近くが経過しましたが、女子フィギュア選手たちのドーピング問題をまだ覚えている方もいるでしょう。

この問題は個人の問題というよりも国絡みというか、国単位での話になっており、だからこそ、ロシアはROCという協会という形でしか出場できなかったわけです。

疑惑発覚後、周りから圧巻のレベルと言われているワリエワ選手、ショートプログラムでトップに立っていた選手、そして銀メダルを取ったトルソワ選手のフリープログラムの演技。

テレビ越しではありますが実際に見ました。追い込まれているように見えるワリエワ選手の何回も失敗をしてしまう様子、表現力もあると思いますが、トルソワ選手のなんとなく機械的にクルクルと回っているように見える無機質な印象。

場の雰囲気も含めて、異常な状態の中で、フィギュアスケートのパフォーマンスをやらなければいけない形になってしまったことは、他国の代表選手にとっても不幸だったはず。ワリエワ選手の順位によっては、表彰台や授与式もないという誰も得をしない異常な状況。本人たちはもちろん、他国の選手たちまで傷つく可能性がありました。

フィギュアスケートは採点競技ですが、どれだけたくさん回れたか、技への加点だけではない芸術スポーツでもあります。

ストーリーや繋ぎといった表現力というものを日本の坂本選手の伸びやかなスケーティングを通して感じて、美しい競技だなと改めて気づかせてもらえたことが救いでした。

選手に対するコーチの接し方

報道における切り取り方やお国柄もありますが、競技を終えてからの「私に説明して!!」というコーチの叱責は、コーチングとしては禁じ手に近いのではないかとも感じました。

冒頭で紹介をした「手を出さない。口を挟まない。でも目を離さない。」。
これは難しいことではあります。

それでも、本人たちが悩む前というか求める前に、口を挟み手を出してしまう。何か結果がそぐわなかった時、寄り添っていて欲しい時に目を背け、離を置いてしまったり突き放す指導者の姿は悲しすぎます。

世界的にスポーツを介して交流を深め、国家間の問題をクリアにしていこうという部分があるはずのオリンピック。綺麗事かもしれませんが、そういったイベントでROCのような状況になってしまったことは本当に残念でした。

結果的にオリンピックの終了直後に、ロシアはウクライナ侵略を開始。事実上の戦争に突入してしまったわけで、ロシア国内のアスリートたちの現状を想像すると、もっともっと胸の痛い、悲惨な状況になってしまったわけですが…。

「を」と「に」の違いを大切に

問題の大きさはあれど、やはり日本国内でもスポーツによって悲しい思いをしたり、スポーツが利用されたり、政治的になったりする部分もあります。切ないですよね。

選手たちによく伝えていることは、自分が得意なこと、『好きなスポーツを活かそう』ということです。でも『スポーツに頼るなよ』ということも同時に伝えています。

この「を」と「に」という助詞の違いはすごく大事。

「スポーツを活かしていく」。自分の得意なものや好きなことを、どんどん活かしていくことは必要だし、いいことです。しかしスポーツに依存することは避けたほうがいい。リスクが大きすぎるし、本来のスポーツの意図から外れてしまうからです。

この2つのバランスを取っていくこと。

オリンピックのような大舞台になった時には、こういった部分が余計にクローズアップされるもの。私たちのスポーツに対する向き合い方や考え方が、改めて問われているなと感じた一件でしたよね…。

手を出さない。口を出さない。

でも目を離さない。

多くの大人たちが、自然にそんな風に子どもたちに接する。
子どもたちに安心が広がり、無邪気に笑顔でスポーツを楽しむことができる。

そんな世界と文化が、もっともっと広がっていくべきですよね。

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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