東京都渋谷区。2018年9月21日に
国際連合大学内にて行われた、
「JAPANスポーツ・アナリティク
ス・カンファレンス」に参加して
きました。
朝10時から17時半まで、2会場で
15を越えるセッションが行われた
このカンファレンス。
私は仕事の関係で一足早く夕方に
席を立ったのですが、現在進行形
のスポーツアナリティクスに触れ
ることができました。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/09/IMG_8393.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
大きな需要拡大が見込めるスポーツ分析の分野
私は合計6つのセッションを受講。
ビッグデータを用いて、いかに
スポーツファンに魅力的な情報
をシェアできるか、というエンタ
ーテインメント性を提供できるか、
という取り組みをしている
sportradar。
試合前から試合後までずっとス
ポーツの熱量を覚まさないための
研究やサービスを具体的に紹介
しており、改めてファン層の拡大
という観点からもITやデータの
可能性が大きいことを実感しま
した。
ビデオ分析の先駆者として著名な
「Hudl」のフィードバックまでの
スピード感や、ケガ予防のための
取り組みを基にした新しいデバイ
スの情報もあり、あっという間の
5時間。
好むと好まざるとにかかわらず、
今後、スポーツとデータ分析とい
うのはますます様々な用途で
広がりを見せていくのを、肌で
実感する機会となりました。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/09/IMG_8376.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
今後スポーツ分野ならスポーツアナリストが熱い
2017年から自分より若い世代の
トレーナー業に携わるメンバー
や、トレーナーを目指す学生と
話をする機会が増えています。
その中でよく話をするのが、
「トレーナーになりたいのでは
なく、スポーツ現場に携わるこ
とが優先事項なら、需要があって
ライバルが少ないものを選ぼう。
今ならスポーツアナリストの
ようなデータ分析の専門家が
ぜったいにオススメだよ」
ということ。
これ、需要と供給という点からは、
絶対に押させておくべきところ。
大幅に雇用のマスが広がること
は難しいトレーナー人口(これは
考え方次第で拡大化するし、させ
ていかなくてはいけないのですが)
に対して、現段階でニーズがある
にも関わらず、不足しているのが、
この人材。
希少な分野でポジションを確立
すれば、大きなチャンスも利益も
掴む可能性が高いですよね。
【こちらもご覧ください】スポーツでのGPS用途を知りたい!Catapultに代表されるラグビーやサッカーでの活用法!
「スポーツに携わりたいから…、
え~っと、通訳かトレーナー…?」
みたいな消去法になるぐらいなら、
スポーツアナリストを目指すべき。
本気で通訳やトレーナーを目指す人
に失礼だし、そういった人たちの
熱量に勝てないですからね。
そう確信しています。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/09/relay-race-655353_640.jpg?resize=300%2C200&ssl=1)
どこで専門性を磨けるのか
力強く断言したものの、じゃあ
改めて「どこでその専門性を学べ
ばいいのか」というと、けっこう
難しいのも確か。
勉強はもとより、この分野の最新
情報を得やすい状況を作るのが、
2018年の段階では最も大切では
ないか、と思っています。
例えば、一般社団法人「日本スポ
ーツアナリスト協会」の会員とな
り、積極的に情報交換に関わって
いく、というのも一つの方法。
2000年前後のストレングス&
コンディショニングの勉強も
2018年現在のスポーツアナリティ
クスと似た状況だったことを
考えれば、お金と時間に余裕
があれば、海外のスポーツア
ナリティクス専攻がある大学
への留学、というのも決して
悪い考えではありません。
オーストラリアの方がこの
分野は進んでいる気がします
が、例えばアメリカの大学に
おいても、スポーツアナリ
ティクスを専門で学べる大学
も存在します。
高校や大学で理数系も好きで
数字を追うのが得意な人など
は、こういった選択肢も現実
的でしょう。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/09/stanford-university-2599981_640.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
英語よりもデータ分析能力
今すでにトレーナー業として
キャリアをスタートさせている
人たち。
このグループには、どちらも
興味があるのであれば、
「英語よりもデータ分析」の
力を磨こう!と伝えたいです。
バスケットボールやラグビー。
これらのスポーツで大学以上
のチームで働こうと思ったら、
英語は必須に近いのが現状。
しかし、付け焼き刃で英語を
勉強しても、幼少期から海外で
過ごした帰国子女には敵わない
し、普通に会話が成り立つ程度
の語学力では差別化は難しい。
ましてやこれだけのスピードで
IT化が進んでいる今、10年後に
は、ほぼ同時通訳レベルで翻訳
機が英語ぐらいなら訳してくれ
るでしょう。
時間と労力を割くほどのアドバ
ンテージは得られないわけです。
それならば、今後ますます需要
が大きくなるであろう、数字を
きちんと現場に落とし込める
情報処理能力を高めたほうが
絶対に差別化になりますから。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/09/pistol-2948729_640.jpg?resize=300%2C180&ssl=1)
しばらくはS&C部門が受け持つ流れ
少しデータ処理に関わりだすと、
すぐに実感することですが、
データ分析をストレングス&コン
ディショニング(以下S&C)の
専門家が兼務するのは、とても
負担が大きいです。
データの処理、その判断と資料
作り。長期的なデータの管理。
こういったことは、一介のS&C
コーチだけでまかなうことは
不可能です。
それでも、2018年の段階で、
チームに所属するスタッフの中で、
最も分析に関する知識に長けてい
るのは、S&C分野。
結果的にGPSの管理や情報処理、
RPEやクレアチンキナーゼ(CE)
などの数値を追いかけるのは、
S&C部門になるでしょう。
チームに1人か2人、ビデオを
再編集したり、データを多角的
視点から管理する専門家がいる
のが理想ですが、その環境が
整うのは、やはり2025年前後に
なるのではないでしょうか。
そう考えると、S&C専門家を
生業にし、チームスポーツに
関わる方は、やはり少しずつでも
データ・アナリティクスの勉強
も吸収していかないと、やはり
「差別化」できないことに
なります。
【関連ブログ記事】GPSに関わるトレーナーが知っておくべきスパイク(速度跳ね上がり)現象
「どんだけ色々なことを勉強
しなくちゃいけないのさ!」と
いじけたくなる気持ちは、よく
わかりますが(笑)、ある程度
ロジックに考えると、これまた
仕方がない部分ですよね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2017/10/GPS-image.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
スポーツアナリティクスカンファレンスの感想
私自身、数字を分析する、管理
する、といったところは得意分野
ではありません。
しかし、我々S&C専門家がこの分
野を深く理解すればするほど、
チームに有益であることはずです。
せっかく学ぶのであれば、興味を
持って。そんな思いにさせてくれ
るきっかけにも今回のカンファレ
ンスは役に立ちました。
わかりやすいプレゼン発表の数々
によって、少し分析が身近に感じ
られたのでしょうね。
6つのセッションのうち、5つは英
語での発表。
敢えて通訳アプリを介さずに、自
分の耳で受講したので、久しぶり
に英語脳をフル回転。
日本の講義を聞くときとは違う、
独特の疲れを覚えて、留学時代
の感覚を思い出しました。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2017/12/24歳.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
尊敬する株式会社ユーフォリアの
橋口さんや宮田さんも、当然参加
しており、ご挨拶できました。
プロ野球のフィールドで活躍して
いるコンディショニング専門家の
方や、ラグビートップリーグの
S&Cコーチなど数名にもお会いす
ることができて、「やっぱり影響
力があり情報発信力がある人達は
嗅覚が鋭いし、行動力があるなぁ
…」と改めて刺激をもらえた、
いい機会にもなりました。
まとめ
・今後スポーツ分野で需要が高
いスポーツアナリティクスを学んでおこう
・日進月歩のこの分野、定期的
にインプットしておくことが大切
・尊敬できる専門家の方々は、
日々アンテナを張り、インプットを行っている
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YUJI HIROTA
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