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アドリブのように振る舞え/舞台俳優のように準備せよ

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本日は「アドリブのように振る舞え、舞台俳優のように準備せよ」というテーマの記事を書こうと思います。

具体的な準備の仕方

トレーニング種目のバリエーションが必要な場面というのは、現場で仕事をしていると度々起こります。普段通りのトレーニングジムであったり、グラウンドといったケースでは、もちろん準備していくのが当たり前です。

しかし、思いがけない悪天候、雨天による室内や遠征先のサブグラウンド、もっとひどくなると、遠征先のホテルなどで「ちょっと時間が余ったし、待機の間に何かやってくれよ。」という場面はざらにあります。

これらの状況で提供できる種目というのは、頭の中でリスト化しておく必要があります。

必要に応じてパッと取り出せるようにしておく習慣を身につけておかないと、何かアクシデントというか不測の事態が起きたときに慌ててしまうというのは、よくあることです。

特に経験が少ない時期というのは、こういったリストを用意してパソコンに入れておいたり、プリントアウトして肌身離さずに持っておくことがおすすめです。こうすることによって安心感に繋がります。

私はキャリアとして21年目ですが、例えば遠征に行く、今まで行ったことのない場所で初めてのホテルといった時には、ホテルに着いたらすぐに着替えてホテルの周りの施設や公園を調べたり、コンビニに行きがてら、周辺にどんなものがあるのかということをチェックしていきます。

そして、急きょ館内で体操をしたい、ストレッチがしたいとなった時に、使用できる場所があるか?というようなことをフロントで確認しておきます。

当然、大きな公式戦の前などは、トレーナールームや選手が集まるミーティングルームを押さえてもらっていますが、そこも何かあったら時間外でも使えるかどうか?ということも確認しておきます。

この辺りはもう自然に確認するようになっているのですが、こういったことをしておかないと「弘田、頼むわ。」と実際に言われた時にバタバタしてしまいますから、トレーニングやコンディショニングの専門家としては、こんな確認作業を習慣づける必要があると思っています。

そして、準備をしっかりとやった上で、見せ方にも気を配ってほしいなとも考えているんですね。

 

アドリブのように振る舞おう

「そっか、グラウンドを使えないのか…待ってね。」とか言いながら、さも今思いついたかのように堂々とプログラムを提供する。

小手先のテクニックのようですが、こんな振る舞いが選手に対してはとても大事になったりします。落ち着いた様子で、この人はプロとしていつもと違うものを即興的に提供してくれているんだと思わせる方が、選手はより新鮮さを覚えてやる気になったりするものだからです。

提供する際に「えーっと、待ってね。そういう時は…」と言ってパソコンを調べたり、自分で用意しているプリントアウトした紙を出してしまうのは興ざめします。

そういった時には、自分の頭の中に入っている準備してあるものをコソッと取りだし、できるだけ何も見ないで、さも今思いついたかのように指示ができると最高です。

その上で、ホワイトボードや紙とペンを用意しておいて「こういうことをやらせようと思うから、今考えているんだけど。」なんて言いながら書いてあげる。

そして「これを3回×8セットやって、その後にこの15m歩くやつを4セット、2往復やりましょう。」なんていうのを今まさに考えて、その場で決断をしている雰囲気を出せると尚良し。

実際はもう前もって準備をしているので、ちょっと姑息なテクニックというか、ズルいと感じる方もいるかもしれませんね。

アドリブのように振る舞う必要は必ずしもありませんが、まずはしっかりとした準備をしておくのが基本。

そのうえで、舞台俳優が即興でやっているように見えるけれども、実はもう入念に準備してきているのと同じ状態を「演出」できると素晴らしいのではないでしょうか。

それでも不測の事態は起こる

トレーナー業だけではないと思いますが、スポーツ現場で使えそうな心構え的なもの、姑息なところもありますが、ちょっとしたテクニックをシェアしてみました。

実際には、入念な準備をしていても、思いがけないようなアクシデントや事態が起きたりするのがスポーツ現場。100%予定通りの状況になることはスポーツ現場では皆無なんだということは自覚しつつ、7割の準備と2割の余裕、そして1割の開き直り。

これぐらいの比率で、目の前で起きたことに全力で取り組むことが一番大事だと考えています。

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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