今までこれほどの頻度で考えてきたことはなかったのですが、ここ数年はジュニア世代のスポーツ事情に関心がいくことが多いです。
現金なものですが、やはり現実的に自分の子供たちが中学生と小学生という世代の真っただ中にいること。それでようやく「我が事」となってこの世代の現実や課題に真剣に向き合っているのかもしれません。
日本のジュニアスポーツの問題点
根本問題は日本に一貫した育成システムがないこと
2018年4月からは中学生となる二女。小2から続けていた女子サッカーを今後もやっていくかどうか自分なりに考えていたようですが、先日、クラブチームにてプレーをしていくことを決断。学校の部活ではなくクラブチームを選ぶことで、学校内での友達との関係や定期テストなどはより難しい部分も出てくるでしょう。
興味のあるクラブチームの練習見学にいくつか行った彼女から相談を受けた際も、「こうした受け答えの一つ一つが彼女の決断に大きな影響を与えるぞ」とものすごく慎重に言葉を選んで、アドバイスをしたつもりです。
日本のジュニアスポーツにおける文化は、率直にいうととても未熟だと感じています。そもそも国が一貫した方針を打ち出し、その方針に則った指導を行うべく指導者を育成していないのが一番の問題。
一貫性のあるシステムがあれば、指導者たちはジュニアから高校、大学へと年齢を重ねていく選手達をマクロ的な視点から育成。各時期における選手が育っていく段階や求められるものがある程度明確になっているから、指導者の個人差がそこまで大きくなくてブレも少ないわけです。
ちょっとシステム化しすぎていると味気ない部分もあるかもしれませんが、指導者のブレのなさが保護者に安心感を与えていきますから、多くのアメリカの保護者は安心して子供を送り出せるのではないでしょうか。
選手の思考は親に影響を受けるという当たり前
一貫した方針がないため、スポーツを一生懸命頑張っている子を持つ親は各々のベストと感じることを言い出すようになりがち。
一昔前はそれでもその方向性はさほどバリエーションがなかったんですよね。その時代の頃のように「水を飲ませたらだめだ」、「昔のようにガンガン走らせるべきだ」といった時代錯誤なことをいう大人は減ったでしょう。
しかしその代わりに、ネット上に氾濫している薄っぺらい上積みの情報だけを切り取ったり、自分自身が信じたい情報だけを取り入れて「うちのチームの指導者は良くない」といった批判を平気でする。
多種多様なバリエーションにて、そういった姿勢でスポーツ現場に訪れる親が増えていると感じます。
もちろん大多数の親は自分の子供可愛さあまってのこと。それでも親が我流の考えで伝えるAやBは、必ず子供の耳に入ります。本来は良かれと思ってしている言動。実はそれらが一番我が子の足を引っ張ったり、彼ら彼女らの思考に歪みを引き起こす、という事実をぜひ認識してほしいと思います。
半ばボランティアで行っているコーチや指導者の方々。頭が下がる一方で、残念ですが一定数「とてもじゃないけれど自分の子供を預けたくない」人たちがいるのも事実です。
そんな場合には、指導者の方針を無条件で信じる必要はもちろんありません。愛する子供をそのチームから半ば強制的にでも離脱させればいいんです。社会の中で生きていく母親や子どもたちはその中で苦労はあると思いますが、「逃げるは勝ち」というセオリーは覚えておくべきでしょう。
良し悪しや正邪の判断そのものを養うには、親自身にも身体や心の成長に関する正しいリテラシーが必要。難しいことだとは思いますが、子供を守るためにも親御さんにはぜひ子供の成長に関する知識を身につけていってほしいと思います。
トレーナー人材の質の向上が必要
お話をする機会がある親御さんからは、「どこで正しい情報や学びをするのがいいのか、それが難しいんですよね…」といったご相談を受けることがあります。日本においてもまるで町医者にかかるような感覚で、体のことやスポーツ特有のケガ、子供の発育発達について相談ができるようなトレーナーが身近にいる環境。そんな環境を作っていきたいものですよね。
確実にこの分野のニーズは存在するので、トレーナーにとってもある種のビジネスチャンスでもあるはず。
トレーナー業に携わる人間として、もっともっと自分自身のレベルを上げて日本のトレーナー全体の質の向上に寄与できるようにしていていきたいと思っています。
まとめ
・日本のスポーツにおけるジュニア育成に一貫したシステムが必要
・システム確立していない現在だからこそ「偏りのない親のリテラシー」が必要
・正しい情報提供ができるトレーナー人材の需要が増えていくため、この人材育成も必要
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YUJI HIROTA
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