10日間のオフ期間。家族の行事を最優先した日々を過ごせています。本日は中学2年の長女の合唱コンクールへ。

家でもyoutubeで合唱曲を練習(ほぼ趣味のようでしたが)していた長女の堂々とした歌声が聴けて雨の中足を運んだ甲斐がありました。

そんな中、腹が立って仕方がなかったのが聞く側の親や保護者のマナーでした。

 

自分を律せない親に子供を叱責する資格はない

合唱コンクール中の保護者の非礼

長女のクラスの合唱中。優しく歌うBメロの最中にも関わらず、私の周りの席には話し声が響いていました。

私の斜め前のキレイな装いのお母さんらしき2人の女性が、本番中もずっとおしゃべりをしていたからです。

妻の左横の保護者もまた隣の方との雑談をずっとやめず。

おしゃべりを続けていた前のお母さんらしき方は、長女のクラスのあと、2クラス目が始まるとすっと立ち上がり端のセッティングしたカメラの下へ。

真剣な様子で合唱を録画していました。

3クラス目が始まると再び座っていた席に戻り、合唱中も談笑。4クラス目には再び知り合いがいるのか自分の子供の出番なのか、真剣に録画を再開。

この間、全ての合唱のスタートも終わりも一切拍手はせず。

妻の隣のおしゃべりしていた保護者は、ひとしきり話が終わるとずっと下を向き、スマホを操作。薄暗い体育館の中でスマホの白い光は周りの人間にとっては気になるもの。

しびれを切らして妻へ「隣の人、何やっているの?」と聞くと、妻もあきれ顔で「ネットショッピングしてる…」と耳打ち。

せっかくの子供たちの晴れの舞台。集中力を乱されて憤慨した思いを抱えながらの鑑賞となってしまいました。

学校からの帰り道、妻と歩きながら
「こんな親が一定数いて、この人たちが子供にいうんだよな、『授業中の落ち着きがないって言われたわよ!ちゃんと集中して人の話を聞きなさい!』。聞くわけないよなぁ…
そんな置き換えをしてため息をついてしまいました。

わずか4分の発表の間、自分のしたいこと、欲求を我慢できずにマナーを守れない人の子供。この子たちが社会力に富んだ、適応力のある子供に育つためには「イバラの道」が待っていることでしょう。

一番被害を被るのは誰でもない、自分の子供なんです。

 

スポーツをする子供の健全な育成にはまず「親の教育」

今回の出来事を通して、改めて今自分が最も気になっているトピック、ジュニアスポーツについて考えてしまいました。

発育発達の過程にある子供たちが、安全に思い切って能力を発揮し一人ひとりの段階に即した環境づくりをしていく。そんな理想的な状況のためには、まず親の教育から始めなくちゃ一向に効果は出ないだろう、と思ったんです。

 

目標設定を共有して考えられる手段をサポートしていく

私が今まで関わった親御さんの典型的なパターンというのがあります。それが子供への愛情が行き過ぎた結果、ただ叱責したり「頑張れ」「努力が足りない」しか言わないというもの。

スポーツにしろ勉強にしろ、基本的な考え方は同じ。まず親自身が子供の意志やイメージを汲み取ったうえで「我が子をどうしたいのか」という根本的な目標を明確に把握することが必要なんです。

そのうえで親は我が子に対してその目標に向かうためにはどういった要素が必要なのか、子供と一緒に考えていく。

例えば、
・六大学野球の舞台で神宮球場でマウンドに上がるために投手で成長していきたい

こんな目標やイメージが共有できたら、

・小5の今の段階から逆算すると高校2~3年で故障なく140km以上の切れのある直球を投げられるのが必要

・140㎞以上をこの時期に投げるための身体的優位性は180㎝近い身長を有していること

・今の身長から必要な身長分の差額を見積もる→PHV(最も身長が伸びる速度が早い時期)をできるだけ遅らせつつ、成長に必要な睡眠と栄養を徹底する

・体が出来上がってくるであろう中2~中3ごろまでは様々な経験を通して効率的な体の使い方を覚える

・成長期に陥りやすいが、将来に影響を与える肩・肘の大きな故障を絶対に避ける

・希望する六大学に進学しマウンドに上がるための道は複数あった方が有利。野球だけでなく勉強にも効率的に取り組む

私の頭でざっと考えると、こういった戦略が思い浮かびました。

必ずしも機能するとは限りませんが、「後22㎝身長伸ばすためにも、魚のタンパク質も絶対必要!22時までには絶対に就寝するのもトレーニングだよ!」と具体的な手段として子供へメッセージを伝えることができますよね。

 

選択肢や知識の少ない親を納得させること

上記に挙げたアイディアの例、例えば

今の身長から必要な身長分の差額を見積もる→PHV(最も身長が伸びる速度が早い時期)をできるだけ遅らせつつ、成長に必要な睡眠と栄養を徹底する

このPHVという概念は一般的には浸透していませんよね。こういった具体的アイディアに繋がる知識やリテラシーを親へアドバイスしてあげる。

これもトレーナー業に関わる我々の大事な役割です。

わかりやすい説明で親に「腹落ちさせる感覚」まで持っていくこと。理解ではなく共感して初めて人間って変化が生まれるものですしね。

システムづくりは大切だけれど、そこに至る前にまずは「親が腹落ちする関係」を構築する必要があるな~、と今つくづく感じています。

いろいろな親御さんがいる今、これってとっても難しいことなんですけれど…

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親もコーチも使える「自発的な子供の行動を促す」具体的手法

古典に学んだり、「~~メソッド」と言われるものから学んでいくのもいいでしょう。しかし子供たちへの指導はもっとシンプルでもいい、というのが私の実感です。

私が意識して行っているスポーツをする子供たちへのアプローチ。その具体的手法をご紹介しますね。

①具体的にどんなアプローチをすればいいのか。まず子供に対して親やコーチから提案をする。
例:「もっと多く効果的にボール周りに絡んでいくにはどうしたらいいと思う?思いつくものを片っ端から挙げてみようよ」

②アプローチとしていくつか選択肢を用意させる
例:「パスコースを読むため、1週間で3試合サッカーゲームを観る」、「持久力を高めて高い運動量を維持する」、「味方からパスがもらえやすいスペースを見つけるため、変則鬼ごっこを練習の最初と最後に1分ずつ行う」

③どれか1つ選ぶのが当然の雰囲気を醸し出す
例:「まずやるべきなのはどれ?そしたら早速どうやるか具体的に動いてみようか」

④目標に向かって子供が手段として現実的なアプローチをイメージすることができるよう導く
例:「やってみるとやっぱりこの部分苦手だね。逆に言えばこの要素が良くなれば、もっとパスカットできるね!」

⑤継続のためにはどういったフィードバックやチェック方法がいいかを考えシステム化
例:「1か月毎に学校でやるシャトルランをチェックするよ!1つでも上がるようにやっていこうぜ」

ちょっと語弊があるかもしれませんが、特に男の子は女の子より単純な分、このアプローチでほとんどOKのはずです(笑)。

 

COACHINGは導くことだから

前述したとおり勉強も運動指導も結局は根本は同じ。

親や指導者が本質的なところを考えないで「枝葉」の体の使い方や技術を教えたって根本的な解決にはならないんですよね。

とにかく目についた点を指導したがる安直なものが多すぎて辟易とさせられる。こんな経験、トレーナー業の人であれば一度や二度は経験しているのではないでしょうか。

ゴロを弾くからひたすらゴロ捕練習ばかりする。長いパスの精度が低いからパス練習を素人考えでたくさん行わせる。…これが最善の方法である段階もありますが、そんなものばかりじゃないはず。

専門家ではない親御さんや指導者であっても、本質的な問題点に頭を巡らす。そういった「地頭力」やリテラシーを備えてもらいたい。ちょっと大変ですが、考え方のコツみたいなものなんですよね。

COACHって言葉の由来は「馬車で目的地に運ぶこと」と聞いたことがあります。コーチングをするのだから、四苦八苦しながらもかわいい子供たちを導いてあげたいですよね。

今回の内容に関しても、一人の親として自戒を込めて。親の背中を見て子供は育ち、親の発言や在り方を感じて子供は価値観を築いていくことの緊張感を忘れずに。

背筋を伸ばしてやっていきます!

 

まとめ

・日本のジュニアスポーツを良くしていくためにはまず親の意識を変えなくては難しい

・トレーナー業に携わる我々の大切な仕事は「リテラシーを備えた親や指導者を『説得ではなく共感』させてサポートすること」

・勉強でも運動指導でも自発的行動を促すアプローチは同じ

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。









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