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ボルタレンとロキソニンの違いって?スポーツ選手に関わるトレーナーが知っておくべき、痛み止めの知識!

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ロキソニンとボルタレン。一般的な痛み止め薬として周知されていますよね。

スポーツ現場に携わっていると、選手が利用する機会も多い2つの解熱鎮痛剤。

どちらを使うかの判断は医師がしてくれるとして。…

2つの薬剤の役割の違いは理解しておいたほうがいいですよね。解熱鎮痛剤を痛み止めとして利用する場合の考え方とその副作用。

改めてまとめていきます。

今回の記事に関して

知り合いの善意ある外科医の方から、医師の処方する薬についての情報提供として、医師法で妥当ではないのではないか?というご指摘をいただきました。

あくまでも1人のS&C専門家としてして、ボルタレンとロキソニンの違いについての見解を述べている記事として参考にしていただければ幸いです。

ロキソニンとボルタレンの違いは?

早く効くロキソニン、強く効くボルタレン

ボルタレンにせよロキソニンにせよ、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)という分類。

臨床実験の結果を鑑みると、同じNSAIDsである二つの薬の使い分けはシンプルな結論でした。

「早く効く」のがロキソニン、「強く効く」のはボルタレンということです。

ロキソニンに関しては速くて15分、長くても50分以内に鎮痛効果を発揮することが証明されています

時間がかかる分、ボルタレンはロキソニンよりも強い鎮痛効果を発揮し、その代り胃を荒らす副作用もロキソニンよりも強く出る傾向があるそう。

ロキソニンに関しては市販薬として「ロキソニンS」が日本でも発売されるようになりましたが、ボルタレンの市販薬はなし。

とにかく早く関節痛や歯痛などを和らげたい際には、市販されているロキソニンSを購入して使用するのも一手ですよね。

お医者さんの処方箋が必要になるものの、強い痛み止めがあればボルタレンをということになります。

ボルタレンに関しては坐薬もあり、胃腸への負担もこちらは軽いそうです

痛みの種類による違い

ボルタレンとロキソニンでは、痛みの種類を判断して、適した方を使う必要があるとのこと。

最近は出ることが少なくなりましたが、偏頭痛持ちだった私。

痛みが酷かった10年ほど前は強い痛み止めとして「エキセドリンA錠」をよく利用していました。

私の症状にはとても効き目がありましたが、アスピリン、アセトアミノフェン、無水カフェインの組み合わせである配合の鎮痛剤だったんです。

調べてみると比較的効き目が早い上に、持続時間も期待できるんですね。

その分胃腸にかかる負担も大きく荒れやすい。

当時あまり深く考えずに「鎮痛剤だから」という理由でロキソニンを飲んだ際には、偏頭痛にはほとんど効き目がなくて弱ったものでした。

肩こりや眼精疲労からくる緊張性頭痛以外にロキソニンは効かないという記述を見つけてちょっと納得しました。

偏頭痛対策としてベターなのはきちんと脳外科などを受診した上で、「トリプタン製剤」という種類のものを選ぶということ。

私もそんな薬剤があることも全く知らなかったので、正直驚きました…

たかが偏頭痛と侮らず、とにかくまず病院などの専門機関にかかることが大切ですね。

スポーツと痛み止めの考え方は

実際にスポーツをしていて、痛みがある。

病院に行き、症状に合わせて痛み止めとして薬を処方される。

こんなケースもありますよね。

運動のための痛み止めとして処方される薬は、どう使い分けをされているのでしょうか。

投手の肩や肘の痛みに多く使われるボルタレン

例えば野球の投手が感じる肩や肘の痛み。

あくまでも私が目にしてきたケースですが、こんな症状ではボルタレンを処方されることが多かったです。

強い効き目が期待できるためでしょう。

「絶対に副作用はある」を肝に銘じよう

ドーピング禁止薬物に入っていない、ボルタレンやロキソニン。

慢性的に痛みを抱えているスポーツ選手は、処方を受けたうえで、抵抗なく定期的に服用しているケースもあります。

スポーツ選手必見!ドーピングにまつわるチェックと現状を知ろう

私が関わった野球選手の中で、処方はされているものの、痛み止めを飲むことが日常化しているピッチャーがいました。

それだけ痛みが強かったなかでも職業として投げ続けていた、ということなのですが、だんだん同じ量のNSAIDsでは効かなくなってきた、といっていました。

歯の治療のため歯科医で麻酔をかけられた際も、通常の量では効かずに、2倍の量を打たれたそうです。

「武勇伝バイアス」的に自慢げに話していましたが、今後の彼の長い人生を考えると怖いことだなぁ…と不安になりました。

痛み止めをとることでの副作用は必ずあります。

全てがデータとして証明されているわけではありません。

しかし反応速度などパフォーマンスにも影響を与えるであろうことは、経験的にもわかるのではないでしょうか。

そもそも、痛みは体が脳へと異常を知らせるために必要な大切な信号。

痛みは悪者ではなく、体からのアラートなんですよね。

これを不自然に消すべきではないのです。

当然ですが、ファンアスリートや成人していない選手は、痛み止めを飲んでまでプレーすることは避けるべき。

こんな意識が当たり前のこととして浸透していかないといけません。

心臓発作のリスク上昇の可能性

また一般的な鎮痛剤の服用と心臓発作のリスク上昇の間には関連性がある、というショッキングな内容の研究が英医学誌BMJで発表されたという報告も目にしました。

その記事がこちら → 鎮痛剤で心臓発作のリスク上昇か カナダ研究

鎮痛剤の種類はNSAIDと呼ばれるロキソニンやボルタレンが含まれているもの。

以前から、この種の鎮痛剤が心臓発作のリスクを高める可能性は指摘されていたとのこと。

はっきりとしたデータは出ていなかったそうですが、その部分を研究したわけです。

いずれのNSAIDであっても、スク上昇は早いと服用開始後1週目でスタート。

投与量が多い場合のリスクが最も高くなるのは、1カ月以内とのショッキングな結果に。

たばこや不健康な食生活、肥満、過度な飲酒などが心臓発作の要因となる可能性があるため、必ずしも確定要素として鎮痛剤が危ない!と言い切れる結果ではありませんでした。

しかし、気軽な気持ちで鎮痛剤を使うのはリスクなのは間違いありません。

安直な鎮痛剤使用は避けるべき

先日読んだ別の記事では、海外における一流サッカー選手の7割が、比較的安易にNSAIDを中心とした鎮痛剤を服用している、という内容が書かれていました。

記事の内容が全て真実であるかは差し引いても、痛みの感覚を飛ばしてくる鎮痛剤をある種「お守り」代わりに服用するスポーツ選手は多い、と感じます。

人類にとって本来最重要な「痛み」という感覚。

これを和らげるということは、やはり不自然なこと。

筋肉や靭帯の炎症からの回復も遅らせる可能性があり、やはり極力摂らないように生活していくべきです。

薬に頼らない対策

こめかみ付近の側頭部を軽く揉む。

日中はサングラスをかけ、紫外線
の刺激が目に入らないようにする。

最低6時間は睡眠を確保する。

こういった取り組みを行って、できるだけ鎮痛剤のお世話にならないようにしていきましょう。

まとめ

本来であれば使わないに越したことはない「解熱鎮痛剤」、いわゆる痛み止め。

まずは薬の持つリスクを理解して、必要最低限しか使わないという自覚が大事。

薬だけでなく食品やサプリメントにも言えることですが、自分の体の中にいれるものに何の疑問も持たないって怖いこと。

トレーナーだけでなく、全ての人にとって、口に入れるものへのリテラシーを高める必要がありますね。

選手から質問されることも多い薬。

今後もアンテナを広げて知識を身につけていきましょう。

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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