本来であれば使わないに越したことはない「解熱鎮痛剤」、いわゆる痛み止め薬。スポーツ現場に携わっていると、けっこう頻繁に選手が利用する機会もあります。

ロキソニンとボルタレンというのが一般的な痛み止め薬として周知されていますが、どういった際に利用してよくてどちらを使うべきか、というと今一つ明確でなく…。

解熱鎮痛剤を痛み止めとして利用する場合の考え方とその副作用。改めてまとめていきましょう。

 

痛み止めの基礎知識

知っておくべきNSAIDs(非ステロイド性抗炎症剤)の副作用

ボルタレンにせよロキソニンにせよ、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)という分類。この辺りは学生時代に習った記憶があります。

ステロイド系抗炎症薬のもつ副作用の怖さに比べて、「副作用が少ない」「手軽に入手できる安全な薬」というイメージを持っていました。

しかし2017年10月に、「一般的な鎮痛薬で関節炎患者の血圧が上昇する恐れがある」という論文が、欧州心臓病学会(ESC2017、スペイン・バルセロナ)で報告されたとのこと。

NSAIDsの一般的な鎮痛薬はボルタレンを除けば、日本でも医師の処方なしでドラックストアで入手可能。
しかし「血圧上昇の危険性がある」「心血管疾患のある場合は注意すべき」ときちんとリスクを理解している人ってどれくらいいるのか疑問です。

当たり前ですが、薬には必ず副作用がつきもの。鎮痛薬も当然万能ではないんですけどね…

私が関わった野球選手の中では、痛み止めを飲むことが日常化。当たり前の適応なのですが、だんだん同じ量のNSAIDsでは効かなくなってきて錠数がアップ。

歯の治療のため歯科医で麻酔をかけられた際も、通常の量では効かず2倍の量を打たれたとのこと。

ちょっとした「武勇伝バイアス」的に自慢げに話していましたが、今後の彼の長い人生を考えると怖いことだなぁ…と不安になった記憶があります。

まずは薬の持つリスクを理解して、必要最低限しか使わないという自覚が大事です。

 

痛みの種類を判断して利用すべし

できるだけ使わないようにしても前述の野球選手のように、どうしても痛み止め薬を飲まないといけないケースもあります。

今回改めて調べてみてわかったことは、ボルタレンとロキソニンを使う場合は痛みの種類を判断して、適した方をつかう必要があるということ。

最近は出ることが少なくなりましたが、もともと偏頭痛持ちの私。痛みが酷かった10年ほど前は強い痛み止めとして「エキセドリンA錠」をよく利用していました。

私の症状にはとても効き目がありましたが、アスピリン、アセトアミノフェン、無水カフェインの組み合わせである配合の鎮痛剤だったんです。

調べてみると比較的効き目が早い上に、持続時間も期待できるんですね。その分胃腸にかかる負担も大きく荒れやすい。

当時あまり深く考えずに「鎮痛剤だから」という理由でロキソニンを飲んだ際には、偏頭痛にはほとんど効き目がなくて弱ったものでした。

肩こりや眼精疲労からくる緊張性頭痛以外にロキソニンは効かない、という記述を見つけてちょっと納得しました。

偏頭痛対策としてベターなのはきちんと脳外科などを受診した上で、「トリプタン製剤」という種類のものを選ぶということ。

私もそんな薬剤があることも全く知らなかったので、正直驚きました…

他の例でいえば、胃痛であっても潰瘍性の問題であれば、NSAIDsであるロキソニンやボルタレンは効きません。

PPIやH2ブロッカーといわれる種類のものを利用しなくてはいけないそうです。「ガスター10」などは馴染みのある製品名ですよね。

確かに胃潰瘍など粘膜の問題に対して、副作用として胃腸を荒らす働きがあるNSAIDsを使ったら逆効果ってちょっと考えたらわかりそうなもの。

遠い昔に薬学概論で学んだ記憶が…微かにあるかな…?

 

「早く効く」のはロキソニンで「強く効く」のはボルタレン

臨床実験の結果を鑑みると、同じNSAIDsである二つの薬の使い分けはシンプルな結論でした。

「早く効く」のがロキソニン、「強く効く」のはボルタレンということです。

ロキソニンに関しては速くて15分、長くても50分以内に鎮痛効果を発揮することが証明されています。

時間がかかる分、ボルタレンはロキソニンよりも強い鎮痛効果を発揮し、その代り胃を荒らす副作用もロキソニンよりも強く出る傾向があるそう。

ロキソニンに関しては市販薬として「ロキソニンS」が日本でも発売されるようになりましたが、ボルタレンの市販薬はなし。

とにかく早く関節痛や歯痛などを和らげたい際には、市販されているロキソニンSを購入して使用するのも一手。

お医者さんの処方箋が必要になるものの、強い痛み止めがあればボルタレンをということになります。ボルタレンに関しては坐薬もあり、胃腸への負担もこちらは軽いそうです。

1歳の子供からでもこのタイプでは使えるので、強い痛みに苦しんでいる子供に対しては有効な選択肢。

このことは小さいお子さんを持つ親御さんは覚えておくと、苦しんでいる子供に対してお医者さんに処方箋を書いてもらうこともできますよね。

 

まとめ

改めて詳しく調べてみると、薬に関する知識はあまりなくけっこう無神経に利用していることに気がつきました。

薬だけでなく食品やサプリメントにも言えることですが、自分の体の中にいれるものに何の疑問も持たないって怖いこと。

選手から質問されることも多い薬について、今まで以上にアンテナを広げて知識を身につけていかないと、と考えています。

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。









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