2017年7月。「アンチドーピング講座」を受講しました。
ある程度の知識は有しているつもりでしたが、
新たに有益な追加情報もありました。
一般的なアスリートにはまだ馴染みの薄い
ドーピングについて、情報をシェアしますね!
ドーピングに関して知っておくべきコト
ドーピング禁止薬物に有効なGlobal PRO
アスリートとして競技を行っているならば、
自分の口の中に入れる食品やサプリメント、
薬などに常に気を配るのは選手の務め。
それでも口にするすべての製品や薬にて禁止物質が
入っているのかどうかを把握するのは不可能でしょう。
私が以前プロスポーツチームに所属していた際は、
ドーピング対象品をリスト化した冊子が配られて常備していました。
2018年現在は、質のいいウェブサイトが出来ているんですね。
「Global DRO」というのがそのサイトです。
対象となるスポーツを選び、調べたい製品名を入れると
その製品が使用可能かわかるというスグレモノ。
OKの場合は緑色に、使用できないものは赤でわかりやすく
示されます。これ、便利です!
ただし情報が入っていない製品に関しては、赤にも緑にもならないとのこと。
そういった商品は更にチェックする必要があるでしょう。
Global DROで使用可能と出た場合なども、念のため記録を
残しておくことが推奨されていました。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/06/blog-3428667_640.jpg?resize=300%2C209&ssl=1)
自分の身を守るという意識が大切
ドーピング検査に引っかかってしまったアスリート。
日本においては、このうち半数近くが無自覚な違反であるのが現状だそう。
違反物質が含まれているのに気づかずに使用してしまったケースですよね。
それだけでなく、2018年1月に実際にカヌー日本代表選手候補にて
行われてしまった、ライバル選手の飲み物への違反物質混入といった
ケース。これにも注意しなくては行けません。
大変ですが、アスリートは自分の潔白を常に証明する必要がある。
その自覚を持つことがとても大切ですよね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/06/magnifying-2681372_640.png?resize=300%2C147&ssl=1)
「禁止表国際基準(禁止表)」はこまめにチェックを
禁止物質や禁止方法は、WADA(世界アンチ・ドーピング機構)が
定めた「禁止表」に記載されています。
プロテニスプレイヤーのシャラポア選手は、ドーピング違反として現在
出場禁止処分となっています。
彼女が痛み止めとして使用していた物質も、2017年に禁止物質に
加えられたばかりのもの。
意図しているかしていないかに関わらず、禁止物質を使用した時点で
ドーピング対象となってしまうアスリートたち。
知らなかったでは済まされません。
禁止表は少なくとも1年に1回更新されているので、こまめにチェックです!
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/06/checklist-2077020_640.jpg?resize=300%2C188&ssl=1)
うっかりドーピングをなくすためには
花粉症の選手は意外と多いですよね。
何気なく点鼻薬などを使いがちだと思いますが、
競技スポーツを行っている選手はドーピングに違反しないか、
充分注意する必要があります。
ドーピングというとオリンピック選手のようにごく一部のアスリート
のみ関係しているように感じませんか?
2018年現在、ドーピングチェックは一般的な競技スポーツにおいても
とても身近な問題となっているんです。
ドーピング検査はオリンピックや国体のみでなく、
様々な競技会で抜き打ちで行われているのです。
競技者が「うっかりドーピング」で違反に問われると、
競技会の成績失効と資格停止という厳しい制裁を受ける
可能性はあるんですね。
花粉症治療薬の中でドーピングに該当する禁止薬剤は、
糖質コルチコイドを含有する「セレスタミン」と、
プソイドエフェドリンが含まれる「ディレグラ」の2剤のみです。
花粉症の方は覚えておきましょうね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/06/flu-1679104_640.jpg?resize=300%2C300&ssl=1)
服用必要な禁止物質があればTUE申請しよう
糖尿病など継続治療が必要でそのための薬なんだけど…という選手もいるでしょう。
その場合は、治療使用特例(TUE…Therapeutic Use Exemption)を申請しましょう。
審査で許可されれば違法にならずに使用できます。
ただし、「治療上必要で他に治療法がなく、使用しても競技力を高めない薬に限定」
という定義があることを頭に入れておかないといけません。
詳しい内容がJADAのHPに載っていますので、
ここを確認し、まずはかかりつけのお医者さんに相談してみましょう。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/06/tablets-707257_640.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
現場での抜き打ちテストは大変
オリンピックのような国際大会の場合、選手は競技終了後、
誰とも接触せずにまずドーピングルームに直行。
ドーピングチェック担当者の目の前で採尿をするのが決まりです。
私が今まで関わってきたプロ野球やラグビートップリーグにおいても、
試合後に抜き打ちで指名選手が告げられます。
ランダムにくじのようなもので決めている、とおっしゃっていましたが、
年に数回当たる選手もいて、「ああ、大変だなぁ…」と思ったものです。
特に夏場などは、プレー後すぐになかなかおしっこが出ないケースもあります。
そして何より採尿するところを誰かに見られている、という経験も普通は
ありませんよね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/06/horse-2776949_640.jpg?resize=300%2C202&ssl=1)
「あれ、普段出るものもなかなか出てこないんだよなぁ…」と
ぼやいている選手は数多くいます。
そして暑かろうが寒かろうが、きちんとスーツを着てドーピング担当者であることを
明らかにしなければいけない、検査側の方も大変そう。
試合後の熱気むんむんのラグビーチームのロッカーを訪れる正装の方たちは、
いつも汗だくです。…お疲れ様です。
こういった地道なチェックを全国で行うことで、フェアに競技スポーツを
行う文化が守られていくんですね。
感謝と共に、こういったシステムが確立されても、指導者やコーチの在り方が
私利私欲が入ったものになっては意味がないなぁ…
昨今の日大アメフト部問題などを思い、また切なくなってしまいました…。
日大OBのトレーナーがアメフト部の不祥事で学生スポーツに思うこと
完全に余談ですが…。
選手だけでなくサポートスタッフも自覚と意識を
アスリートの人生を左右するかもしれないドーピング違反。
選手、そしてサポートする我々もチームスタッフも常に最新情報をアップデート。
絶対に「うっかりドーピング」を防いでいかなくてはいけません。
プロテインやサプリメントを含め、不明な点があれば
所属先のアスレティックトレーナーや栄養士、
全国のスポーツファーマシストに問い合わせましょう。
こういった手間を惜しまないことですね。
そして当然ながら、禁止物質を使うことのリスクや怖さ。
これを選手に定期的に知らせていくことも、
専門家であるトレーナー業の我々の大切な仕事。
日進月歩の情報を更新しながら、選手をしっかりと守っていきましょう!
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/02/image-3.jpeg?resize=225%2C300&ssl=1)
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YUJI HIROTA
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