東京都渋谷区。2018年9月21日に
国際連合大学内にて行われた、
「JAPANスポーツ・アナリティク
ス・カンファレンス」に参加して
きました。
朝10時から17時半まで、2会場で
15を越えるセッションが行われた
このカンファレンス。
私は仕事の関係で一足早く夕方に
席を立ったのですが、現在進行形
のスポーツアナリティクスに触れ
ることができました。
私は合計6つのセッションを受講。
ビッグデータを用いて、いかに
スポーツファンに魅力的な情報
をシェアできるか、というエンタ
ーテインメント性を提供できるか、
という取り組みをしている
sportradar。
試合前から試合後までずっとス
ポーツの熱量を覚まさないための
研究やサービスを具体的に紹介
しており、改めてファン層の拡大
という観点からもITやデータの
可能性が大きいことを実感しま
した。
ビデオ分析の先駆者として著名な
「Hudl」のフィードバックまでの
スピード感や、ケガ予防のための
取り組みを基にした新しいデバイ
スの情報もあり、あっという間の
5時間。
好むと好まざるとにかかわらず、
今後、スポーツとデータ分析とい
うのはますます様々な用途で
広がりを見せていくのを、肌で
実感する機会となりました。
2017年から自分より若い世代の
トレーナー業に携わるメンバー
や、トレーナーを目指す学生と
話をする機会が増えています。
その中でよく話をするのが、
「トレーナーになりたいのでは
なく、スポーツ現場に携わるこ
とが優先事項なら、需要があって
ライバルが少ないものを選ぼう。
今ならスポーツアナリストの
ようなデータ分析の専門家が
ぜったいにオススメだよ」
ということ。
これ、需要と供給という点からは、
絶対に押させておくべきところ。
大幅に雇用のマスが広がること
は難しいトレーナー人口(これは
考え方次第で拡大化するし、させ
ていかなくてはいけないのですが)
に対して、現段階でニーズがある
にも関わらず、不足しているのが、
この人材。
希少な分野でポジションを確立
すれば、大きなチャンスも利益も
掴む可能性が高いですよね。
【こちらもご覧ください】スポーツでのGPS用途を知りたい!Catapultに代表されるラグビーやサッカーでの活用法!
「スポーツに携わりたいから…、
え~っと、通訳かトレーナー…?」
みたいな消去法になるぐらいなら、
スポーツアナリストを目指すべき。
本気で通訳やトレーナーを目指す人
に失礼だし、そういった人たちの
熱量に勝てないですからね。
そう確信しています。
力強く断言したものの、じゃあ
改めて「どこでその専門性を学べ
ばいいのか」というと、けっこう
難しいのも確か。
勉強はもとより、この分野の最新
情報を得やすい状況を作るのが、
2018年の段階では最も大切では
ないか、と思っています。
例えば、一般社団法人「日本スポ
ーツアナリスト協会」の会員とな
り、積極的に情報交換に関わって
いく、というのも一つの方法。
2000年前後のストレングス&
コンディショニングの勉強も
2018年現在のスポーツアナリティ
クスと似た状況だったことを
考えれば、お金と時間に余裕
があれば、海外のスポーツア
ナリティクス専攻がある大学
への留学、というのも決して
悪い考えではありません。
オーストラリアの方がこの
分野は進んでいる気がします
が、例えばアメリカの大学に
おいても、スポーツアナリ
ティクスを専門で学べる大学
も存在します。
高校や大学で理数系も好きで
数字を追うのが得意な人など
は、こういった選択肢も現実
的でしょう。
今すでにトレーナー業として
キャリアをスタートさせている
人たち。
このグループには、どちらも
興味があるのであれば、
「英語よりもデータ分析」の
力を磨こう!と伝えたいです。
バスケットボールやラグビー。
これらのスポーツで大学以上
のチームで働こうと思ったら、
英語は必須に近いのが現状。
しかし、付け焼き刃で英語を
勉強しても、幼少期から海外で
過ごした帰国子女には敵わない
し、普通に会話が成り立つ程度
の語学力では差別化は難しい。
ましてやこれだけのスピードで
IT化が進んでいる今、10年後に
は、ほぼ同時通訳レベルで翻訳
機が英語ぐらいなら訳してくれ
るでしょう。
時間と労力を割くほどのアドバ
ンテージは得られないわけです。
それならば、今後ますます需要
が大きくなるであろう、数字を
きちんと現場に落とし込める
情報処理能力を高めたほうが
絶対に差別化になりますから。
少しデータ処理に関わりだすと、
すぐに実感することですが、
データ分析をストレングス&コン
ディショニング(以下S&C)の
専門家が兼務するのは、とても
負担が大きいです。
データの処理、その判断と資料
作り。長期的なデータの管理。
こういったことは、一介のS&C
コーチだけでまかなうことは
不可能です。
それでも、2018年の段階で、
チームに所属するスタッフの中で、
最も分析に関する知識に長けてい
るのは、S&C分野。
結果的にGPSの管理や情報処理、
RPEやクレアチンキナーゼ(CE)
などの数値を追いかけるのは、
S&C部門になるでしょう。
チームに1人か2人、ビデオを
再編集したり、データを多角的
視点から管理する専門家がいる
のが理想ですが、その環境が
整うのは、やはり2025年前後に
なるのではないでしょうか。
そう考えると、S&C専門家を
生業にし、チームスポーツに
関わる方は、やはり少しずつでも
データ・アナリティクスの勉強
も吸収していかないと、やはり
「差別化」できないことに
なります。
【関連ブログ記事】GPSに関わるトレーナーが知っておくべきスパイク(速度跳ね上がり)現象
「どんだけ色々なことを勉強
しなくちゃいけないのさ!」と
いじけたくなる気持ちは、よく
わかりますが(笑)、ある程度
ロジックに考えると、これまた
仕方がない部分ですよね。
私自身、数字を分析する、管理
する、といったところは得意分野
ではありません。
しかし、我々S&C専門家がこの分
野を深く理解すればするほど、
チームに有益であることはずです。
せっかく学ぶのであれば、興味を
持って。そんな思いにさせてくれ
るきっかけにも今回のカンファレ
ンスは役に立ちました。
わかりやすいプレゼン発表の数々
によって、少し分析が身近に感じ
られたのでしょうね。
6つのセッションのうち、5つは英
語での発表。
敢えて通訳アプリを介さずに、自
分の耳で受講したので、久しぶり
に英語脳をフル回転。
日本の講義を聞くときとは違う、
独特の疲れを覚えて、留学時代
の感覚を思い出しました。
尊敬する株式会社ユーフォリアの
橋口さんや宮田さんも、当然参加
しており、ご挨拶できました。
プロ野球のフィールドで活躍して
いるコンディショニング専門家の
方や、ラグビートップリーグの
S&Cコーチなど数名にもお会いす
ることができて、「やっぱり影響
力があり情報発信力がある人達は
嗅覚が鋭いし、行動力があるなぁ
…」と改めて刺激をもらえた、
いい機会にもなりました。
・今後スポーツ分野で需要が高
いスポーツアナリティクスを学んでおこう
・日進月歩のこの分野、定期的
にインプットしておくことが大切
・尊敬できる専門家の方々は、
日々アンテナを張り、インプットを行っている
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