2016年10月5日の水曜日の夜に京都まで出向き、阿部勝彦さんの『機能的な可動域獲得のための最新アプローチ』というセミナーを受講してきました。

あれからもう1年経ったんだなぁ…と時の経つ早さに怯えてしまいますね…
テーマであったFRC(Functional Range of Conditioning)という考え方は面白かったです。

弛緩性と柔軟性、柔軟性と可動性の違い

車の機能に置き換えてみよう

実際に関節をまたいだ筋が伸長し、一定のROM(関節可動域)が確保できているものは柔軟性。それに対して海外ではLaxityと呼ばれる弛緩性は先天的な関節そのものの緩さが大きいことを指しています。

弛緩性は車でいうところのハンドルの遊びが極端に大きい状態といった感じ。

適度な遊びがあることは必須でそれは柔軟性と考えればいいわけです。しかしその遊びが大きすぎるとコントロール機能という本来最も大切なハンドルの機能そのものが損なわれてしまいます。

まず大前提として、ごく稀にいる先天的に弛緩性の高い関節の持ち主。こういったプレイヤーに対しては、ストレッチ指導やモビリティドリル実施の際も、個別に考え対応する必要があるでしょう。

その見極めとして古典的ですが、ルースネステストなどを実施しましょう。1分足らずで終わりますしね。

【引用】http://www.bookhousehd.com/pdffile/I-2.pdf

人の体を考えた場合、自らの感覚に即して自在に関節を動かせるには柔軟性だけでなく可動性も必要です。

「柔軟性と可動性をきちんと定義してどちらの要素がより重要か」を見極めないと、怪我を予防しパフォーマンスを向上させる確率のいい方法論を選ぶことはできないはずです。

 

柔軟性と可動性を定義づけると

トレーニング指導を始めたてのパーソナルトレーナーなどにありがちな「柔らかければいいのだ」という思考停止の発想。これは要注意です。

定義づけが曖昧な部分はありますが、私は柔軟性(フレキシビリティ)は「関節からある範囲まで届く距離」であるのに対して、可動性(モビリティ)は「関節からある範囲までコントロールして動かせる距離」と捉えています。

仮に100の長さまで伸ばすことが出来れば「柔軟性100」となりますが、これがイコール「自発的に自分が動かせる距離」とは限らないわけです。

この人の可動性が80であった場合、81~100の範囲は101以上の範囲と共に既に「可動性に乏しい」状態になっており、ある種「オーバーストレッチ」状態。

本来であれば、この人の持つ可動性80を超えた時点で運動制御システムが働き「伸張反射」が起こるべき。しかし柔軟性のみが優位の場合は、「筋と張力の関係」の最適な範囲から逸脱しているため、反射が起きないわけです。

目的が可動域の拡大≒可動性を獲得することなのに、可動性と柔軟性の定義が曖昧だと却ってリスクが高まってしまうケースもでてきます。

もし方法論として選択したものが、静的ストレッチをメインとした柔軟性の向上ばかりになってしまったとしたら…

こんなケースでは真面目に継続すればするほど、ただ伸びてしまう範囲が広がるのでむしろ怪我のリスクは高まってしまうからです。

ジュニアの新体操選手に見られるような「柔らかさ」は柔軟性偏重の傾向があり、ある種「弛緩性」に近い柔軟性と捉えることができるでしょう。

こういった選手に最も必要なアプローチは、動きの中で制御できる「可動性」の能力を育てること。この辺りの見極めを間違えないのは、トレーニング指導者にとっては本当に重要です。

この辺りは「運動制御」というキーワードの基、少しずつシステム化されたアプローチが広がってきています。私もまだまだ勉強中ですが、まず言葉の定義を明確化。

本質的な理解を深めていきましょう。

可動性や柔軟性を維持するために不活動の時間を短く

【2018.4.13追記】
モビリティとかフレキシビリティを明確に定義しなくても、やはり同じ姿勢を長時間続けることは人間にとって不自然です。

キャンプ中の今も一度自分の部屋の椅子に座りパソコンの前にて作業をすると、平気で1時間ほど同じ体勢になっていることに気がつきます。

この対策として、私はスマホで25分毎に小さな振動が起こるようにセッティングし(以前紹介したポモドーロテクニックのアプリを利用して)、意識的に時間を区切る工夫をしています。

とにかく立ち上がる。

水を飲みに行ったり、トイレに立ったり、ベッドで大きく伸びをしたり。きちんとしたストレッチをする方がより効果的ではあるでしょうが、とにかく自然に動かす、ということがポイント。

結果的に体が硬くなってしまったり、関節に痛みを感じたりした後に慌ててストレッチやトリートメントを受けるよりもはるかに簡単。

自分へのハードルを下げて、できるだけこまめにじっとしている時間を減らすこと。このポイントを心がけています。徐々に身体に染み込んで完璧に習慣化されたらいいですよね。

 

まとめ

・弛緩性という概念がある

・柔軟性と可動性の言葉の定義を咀嚼(そしゃく)しておくことは大切

・運動制御(モーターコントロール)をキーワードにより深い理解ができそう

・普段の生活ではとにかく同じ姿勢を続けないように心がけましょう

 

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。









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