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トレーナー業の協会モデルは会社起業5年継続率ぐらい難しい

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士業が発展させるビジネスモデルって有名なものがいくつかあります。典型的なビジネス展開の一つとして有名な協会ビジネス。

質でいえば圧倒的なレベルであるところっていっぱいありますよね。それでも私個人としては「トレーナー業(治療家も含めて)の協会モデルってめちゃくちゃ難しい」と思っているんです。

今回はそんな協会ビジネスに関して。

 

 

身近で見てきた協会の栄枯盛衰

自分の経験や先達の知見を最大限生かし、より普遍的でわかりやすくマニュアル化していく作業には情熱が必要です。

高いレベルに協会を昇華させ同志を集う。その中でまた切磋琢磨が行われ、更にいいものが生まれる。

こういったサイクルなら全く問題はないわけです。でも現実はまずこうはならない。なぜなのでしょうか?

結局人が一定数以上集まることで「純度が下がる」からだと思うんです。

 

中心人物はWHYでビジネスモデルはHOW/WHAT

私が関わっているトレーナー業界における協会の多くには、キラリと光るカリスマ的な中心人物がいます。

彼らは高い志や危機意識を持って協会を引っ張っていこうとする「人財」タイプがほとんど。WHY思考なんですよね。

この人たちの経験論や感覚を中心ラインとして、人や情報が集まってくる。純度の高い本気度に皆、惹かれるから。

その後、協会の発展のために必要な「優秀な二番手」も現れます。しかし彼にはトップの代わりは務まりません。求められる役割も能力も全く違うから。

一定以上に数が増えていくと「中途半端な協会信者」が増えていく。こういった人材が一定数いないと、協会ビジネスは大きくならないから仕方がないといえばそう。

それでも彼らは協会を立ち上げた際の苦労も、独自(のように見える)メソッドやマニュアルを創り出す労力を知りません。

「我々の協会のメソッドはすごいのだ。」と上澄み液のような理解で思考停止する人数が増え、結果としてその協会のブランドを低下させていく。

本質的な部分を高めて更にいいものを構築していこうというグループではなく、「どうやるか」「何を学ぶのか」に固執したHOW/WHAT型のタイプがほとんどだから。

もっと酷くなると「代表は変わってしまった」、「本来は〇〇さんこそがリーダーたるべき人なのだ」と、協会内に勝手に政治を持ち込む。

歪んでいたとしてもそういった動きが「この協会を良くしたい」という思いからであれば、まだ救いがあります。

しかし大半のこういった集団は「組織内の自分の価値を高め承認欲求を満たしたい」というエゴから行動を起こすんです。

 

[aside]WHY型・HOW/WHAT型を詳しく知りたい方は「WHYから始めよ!」がオススメ [/aside]

 

 

歪んだ政治やブラックな会社組織と同じ構図に

もともと志を持ってその協会の初期メンバーには、目指すところ以外の雑多な問題が多くなりすぎて、もはや何が何だかわからなくなります。

初期メンバーのうち、何人かはこの政治ゲームにも巻き込まれ始める。先ほど挙げた「優秀な二番手」は祭り上げられる候補の最たるもの。

カリスマ性のあるトップはもともと成功欲が強い出世思考かプロの職人。一定の成功を収めると独り悠々とリタイアするか、協会内の政治力に半ば騙されたようにドロップアウト。

WHY型の本質を考えているトップは遅かれ早かれ淘汰されてしまうという矛盾という構図の出来上がりです。

違う見方をするならば、協会というスタイルを健全に持続させるには、このタイプのリーダーは「ずっとカリスマでい続けなくてはいけない」ことになります。その重圧は想像するだけでゾッとしてしまいます…

 

そんなこんなで「あれ、この協会、以前とはちょっと違う名前になったな…」と思っていると、ホームページも全く違うものとなり、中心メンバーの顔ぶれも一新。こんな組織、一つや二つ、心当たりありますよね?

全ての協会がこんなわけではありません。しかし立ち上げるよりも継続する方が何倍も難しく、結局政治家の世界や会社組織と変わらなくなっちゃうってパターンを身近でみてきました。

協会を興して5年で生存率は20%ぐらい、というのが私の肌感覚。

これじゃあ起業した会社の存続率とほとんど変わらない。こんな栄枯盛衰が協会ビジネスで頻繁に起きているとしたら、切ないですよね。

 

魅力ある個として寄業人を目指したい

[voice icon=”(画像アドレス))” type=”l”]何だよ、知った風に偉そうに言いやがって… そういうお前は具体的なアイディアってあるの?個人の力でやっていけるだけの実力もカリスマ性も持っているのか?[/voice]

当然、そんな風に感じる同業種の方もいるはず。そりゃそうですよね。

働くことの本質は日々考えています。なかなかスパッとした答えは出ませんが、すごくハッキリしている条件としては、「組織に属したくない」という部分。甚だ勝手ですが…

だからこそ、責任を持って魅力ある個として力を備え、常に発信をしていかないといけない。その覚悟と危機感は忘れずにいるつもりです。

まずは個の商品力や「人間的なSomething」を高めていく。

自然発生的に協力してくれたり、ドラゴンボールでいう「元気玉」作りに協力してくれる、パラレルな関係の仲間や同志、戦友を作っていくこと。

「企業人」でも「起業人」でもない、尊敬する藤原和博さん言うところの「寄業人」。組織や同業種、他業種の同志とパートナーシップを保ちながら、組織に寄って仕事をする個人を目指しています。

日本だけでなく世界的にも成長社会から成熟社会へとシフトしている現代だからこそ、そんな風に働いたり生きていきたい。そこから逆算して行動をしているのが今です。

 

まとめ

協会ビジネス全てにNO!と言っているわけではもちろんありません。

しかし専門性を備えた協会モデルはそもそも興した理由とマネタイズするモデルに矛盾があるからこそ、多くの団体で内部分裂が起きたり、継続が難しいのじゃないか。

以前から感じていたことをまとめる意味でブログに書きました。

個人としては「和して同ぜず」。まさにそのときのタイミング、ご縁を感じた時に直感でコラボ。

あるプロジェクトに関して戦友や同志が「一緒に戦ってみたい!」と名乗りを上げてくれるような、そんな関係性。

理想通りにはいかないけど、そんな出会いでこれからも働いて行きたい。寄業人を目指します!

 

[aside]「寄業人」という考え方に興味を持った方は下記の本もオススメです[/aside]

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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