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無料配信をする側になった際に考えておくべきこと

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体調崩すことなく日々過ごされているでしょうか。

STAY HOMEに全力で取り組む、という初の体験にトライしている日々。

我々トレーナー業界の人間だけでなく、アスリートやフィットネス団体の方も、ものすごい量のエクササイズ動画を挙げてくださったり、普段は有料のコンテンツを無料開放したりしてくれています。

時間に余裕がある今だからこそ、良質なインプットをコストかけずに学ばせてもらうチャンスではありますね。

ただ。

自分が発信する側だとしたら、その発信の意味であったり、位置づけをハッキリさせておかないと苦しい思いや、かえって評判を落としてしまいます。

今回は無料配信をする側に回った場合に、考慮しておきたいことを私なりにまとめてみます。

ただただ全力で無料配信を行うことの弊害

・自分の専門性を今ストレスを抱えている人たちに役立てたい
・自宅にいなくてはいけないから運動したい!のニーズが多い
・情報発信しよう!

こういった思いは立派だし正しいことだと思います。

私自身も急きょ休校になった学生向けに、ツイッターで「これ、オススメだよ!」という動画をUPしたりしています。

でも配信をただただ、ボランティア精神だけで行ってはいけません。有料、無料というくくりだけでなく、目的を持っておく必要があるんです。

無料配信が素晴らしいという価値観は危険

NishiさんがUPしてくださっていたtwitterの呟きが、私の心情をズバリと突いてくださっていて、思わずコメントさせていただきました。

内容としては、
『個人事業でメインの収入が大きく落ち込んでいる状況で、「無料で配信すること」が素晴らしいという価値観が生まれると大変じゃないか』といった内容でした。

新型ウイルスの影響で、メインの収入が落ち込んでいる個人や法人がほとんどのはず。

そんな中、無料で配信することが素晴らしいという価値観が当たり前のようになっていくのは危険。つくづくそう思うのです。

理由は大きく2つあります。

1.自分の価値を陳腐化させてしまう

自分の知識や経験を全てビジネスにしようとする必要はありませんし、そんな考えでは口コミも広がらないでしょう。
でも、あなた自身やサービス、商品のキモの部分を全て無料で出してしまっては。

自分の価値を陳腐化させることとなり、逆効果です。

周りに流れている安易な情報と横並びになり、レッドオーシャンの中で「あなたの発信の希少性」が埋もれてしまうのが関の山。

鬼滅の刃の主人公、炭治郎の「水の呼吸!」を注目されていない群衆の中で繰り出しても、価値はないんです。

2.業界全体の価値を安くしてしまう可能性がある

自宅にこもり時間がある一般の方たちや同業者の方、学生含めたアスリート。
運動不足に拍車がかかり、今までよりも運動やエクササイズへの興味は高まっています。

ニーズがあり、それに応える知識や経験があるとして。

前述したように、あなたが献身的な気持ちで本来は有料の価値を持つサービスを無償提供していくとしたら。

…それはトレーニングや運動指導の価値を、「軽んじられる」可能性があるという側面も考えておきましょう。

・一生懸命に信用や信頼を勝ち取って、有料として提供している同業者のサービスを結果的に邪魔してしまう
・受け手の「サービスでしてもらえる期待値」ばかりが上がり、結果的に仕事として続けていくことが難しくなる

良かれと思ってやっていることが、結果的に自分たちの首を自分たちで締めてしまうことになる。

この可能性はしっかり考慮に入れておくべきなのではないでしょうか。

発信に確たる目的を持とう

自分の知識や経験、そして何より大切な時間を投資している。
このことをまずは強く認識しておきましょう。

この記事を読んでくださる方の中には、今まで情報を得る側しか経験していない方もいるかも知れません。

もしそうであるなら。

情報配信する側に回ったときの心得を、しっかり持っておきましょう。

業界の中で長期に渡って、評価をされたり活躍されている方たち。有益な情報配信をしている方たちがほとんどのはずです。

ほとんど全員が、戦略的に目的を持って情報配信をしています。

・提供するサービスや自分という商品を認知してもらう
・自分たちの業界の価値を知ってもらう
・ファンになってもらう
・商品やサービスを購入してもらう

どれか1つに特化していることもあれば、複合的に組み合わせることもありますが、必ず目的があるわけです。

まずあなたなりの目的をもちましょう。

目的に対する対象者を決めよう

同時に目的に対する対象者(ペルソナといいます)を決めましょう。

偉そうに書いていますが、私はこのペルソナがブレがちで、あっちいったりこっちいったりするので、上手に情報発信を活用しているとは言えません。

ただ少なくとも、

・どんな人が対象で
・どんな気持ちに訴求したいか

は絞ったうえで時間を割くべきでしょう。

・気持ちが弱っている同業者?
・体をほぐしたい一般の方?
・自宅で焦る競技指導者?
・将来の顧客候補のアスリート?

しっかりと絞り込むことで、より精度高く「対象者」の役に立てるし、今後の自分の存在価値を高めることもできるはずです。

【補足】2020.5.3】このブログ執筆の3週間後、noteにて有料での自体重サーキットプログラムを販売しました。

対象者は高校や大学の学生アスリート。

自分たちなりにyoutubeやInstagramを見ながら、工夫してトレーニングしてきたけど、そろそろ手詰まり…器具なしでも効果的なトレーニングできないかな?

そんな選手たちが増えるだろうな、という時期だからこそ、私のプログラムが助けになるのではないか、と思って作成しました。1コイン500円ですから、正直無料にしてもいいわけです。

でも、お昼1食代を犠牲にしてでも効果的な自主練がしたい!って本気で取り組んでもらうコンテンツでありたい。そんな気持ちから販売しています。

目的があいまいだと結果が出ない→継続できない

厳しい言い方ですが、

・「あなた」のエクササイズ動画や知識共有の記事でないといけない理由

これがないと、いくら情報発信をしても誰の目にも止まりません。

頑張っても頑張っても、3ヶ月も半年も再生回数やPVが全く伸びなかったら…普通の人間は気持ちが折れてしまうし継続できません。

幸い、今時間はある人が多いハズ。目的をしっかりと定めて、時間投資しましょう。

私なりの見解として

参考になるかもしれないので、私自身の見解を少しだけ。

私も含め、収入面や生活面での不安がある方がほとんどの今。
現状では「お金を出して有益な情報や動画を!」というニーズは比較的少ないし、財布の紐も固いはず。

もう少し状況が落ち着いたときに、
「ずっと役立つ情報をシェアしてもらってたから、お願いしよう!」
となってもらうためのファンづくりの時期に充てる、というのが最も適しているのかなぁ。

個人的にはそんなふうに考えています。

 

「専門知識に対価が発生する」ことは当たり前

平時と違う有事の今だからこそ、専門家の方たちにこそ伝えたいこと。
それが「専門知識に対価が発生する」のは当然であり、そこにプライドと敬意を持とうよ、ということです。

助け合い、皆の役に立とうという気持ちは間違いなく基本であり、絶対に忘れてはいけないもの。

でもそこに「馴れ合い」や「甘え」があっては「搾取する側/される側」の関係に陥ってしまいます。

今まで情報を受け取る側のみだった方は、自分が発信する側に回ってみると、全く違った景色や感覚に驚くことでしょう。

Giveされることしか経験のない人は、本当に驚くほど図々しいことを「すいませんが教えて下さい」と次々に依頼してきますからね…

トレーニング業界やトレーナー業界。

我々の業界内で、「こんなときだから余計に助けてよ。いいじゃん、教えてくれたって」という雰囲気が1ミリでも漏れ出ていたら。

我々が対象とするクライアントやチーム、組織が我々に「これぐらいまでは無償でやってよ。クライアントや選手のためにしたいんでしょ?」という感覚になるのは当然の流れですよね?

覚悟とプライドを持って行動をしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。ブログ記事にしては炎上要素がたっぷり含まれていてちょっと心配ですが…

それでも、自分の中のモヤモヤを一度言語化してアウトプットしたかったんですよね。

今回の記事は週1回配信ししているメールマガジンの内容が基になっています。

普段はブログより濃い内容をメルマガで、赤裸々に書いています。今回の内容に興味を持ってくださった方は、ぜひメルマガも登録してみてください。

体より先に心がへばってきそうな状況ですが、皆で励まし合いつつ頑張っていきましょう!

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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