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心臓マッサージ教材から学ぶ本質「クライアントは何を求めているのか」

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尊敬するメンターの一人から薦められて2018年より「テレビ東京オンデマンド」に入会。月額500円で「カンブリア宮殿」、「ガイアの夜明け」など見忘れることなくフォローできるようになりました。

その中でも「ワールドビジネスサテライト(WBS)」がスキマ時間でチェックできるのは大きな収穫。わかりやすく日々の情報をアップデートしてくれるのは、一つの楽しみになっています。

リアルさと対極に振る効果

Dock kun開発のプロセス

2月中旬のWBSで紹介されていたのが「Dock kun(ドックン)」。これ、空気ポンプを模した心臓マッサージの教材です。(詳細動画はコチラから)

販売元であるサカイ産業株式会社はそれまで、できるだけリアルな様子を忠実に表現しようと商品開発を進めていたそう。しかし小学生や中学生にとっては、生々しく感じられて馴染まなかったと話していました。

教習所や消防署で学ぶ心肺蘇生法でも、ダミー人形はなかなかリアルで気持ちがいいものではありませんよね?良かれと思って追求した機能やデザインが、かえって人の気持ちに壁を作っている部分があるということ。

こういったニーズに気づいた同社は、超シンプルでかわいいデザインという全く逆方向に舵を切ります。とにかく大切なことは胸部を圧迫すること。リズミカルに適度な圧を加えつつ、胸の中央を圧迫する知識と体験があればいいわけです。

とっつきやすいデザインで、バケツを2つ用意。2リットルの水を静脈側とするバケツに入れ、この水を空気ポンプをリズムよく押すことで1分以内で動脈側のバケツに移動させればOK。

心臓の持つポンプ作用、静脈と動脈の関係を可視化することができて、心臓マッサージの意義を正しく理解できる。そのうえ価格は税込¥7,560。おかげで多くの教育施設から注文が入っているそうです。

クライアントは何を求めているのか

WBSにてこの特集を見たとき、ああ、この視点は自分にも必要だなぁと感じました。クライアントのためにより現実的且つ実践的な商品を作ろう!思いに間違いはありません。しかし今回の例で言えばそのアプローチ自体が当初は正しくなかったということでしょう。

本当にバイタルサインを含めたダミー人形の精度を上げるのであれば、開発費用を多く持っている企業には勝てないでしょうし、市場としては「レッドオーシャン」に飛び込むことになります。

しかしターゲットを「これから心臓マッサージの重要性と心臓ポンプ作用を学ぶ小学生・中学生」と考えるとコンセプトとなるのは「わかりやすさ・とっかかりやすさ」なわけです。

結果的に安価に商品開発及び提供ができることとなり、他社との差別化もできたわけです。対象となるクライアントのニーズが何なのか。シンプルに突き詰めて「正しい問い」を見つけられたところに勝機があったのでしょう。

今回のケースは、私のようにコンディショニングに携わるトレーナー業の人間にも大きな示唆を与えてくれますよね。

一商品として深い知識を身につけ日々アップデート。常にベターな情報や指導を与えられる仕込みをしていくのは大切だし重要。しかし最優先事項はいつでも自分のクライアントが「何を求めているか」を模索し、そのサポートができるかどうか。

詳しくなった。専門性が上がった。キャリアを積み重ねた。PTを多くとることで施設の売り上げに貢献した。

必要条件ですが十分条件ではない。当たり前のことですが、段々忘れがちなこの事実。肝に銘じて、クライアントにとって「真に役立つ生きた商品」になっていきたいですよね。

 

まとめ

・Dock kun開発のプロセスから、考えがちなアイディアの対極に振る大切を知ろう

・クライアントが何を求めているか、を常に考える思考を持ちたいもの

・テレビ東京オンデマンド、おススメです

 

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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