スポーツの世界において大きな怪我は、調子がいいときほど起こる可能性が高いとされています。
これは一つの真理です。
「体が自由自在に動く」、
「すごく調子がいい」、
「全く不安がない」、
「めちゃくちゃ今、調子がいいんですよ…」
こんなことを伝えてくる選手には、
「悪い。釘をさすようで申し訳ないけれども、こういう時ほど大きな怪我をしやすいから気をつけてくれよな。」
と必ず声を掛けるようにしています。
調子がいいときほど怪我をする
先日も関わっているチームで、「本当に調子がいいんです。」と言ってニコニコしていた選手が、その日のうちにふくらはぎ(腓腹筋)の肉離れ、結構ひどい筋損傷をしました。
ウォーミングアップをした後、練習が始まったところですぐにそれほどハードなセッションではなかったタイミング。
しかし自分の調子がいいことで、思ったよりもボンッとスピードが出てしまい、加速した時にパチンとふくらはぎに感じて、肉離れをしてしまったそうです。
現在私が関わっている社会人野球チームでも、今年のことではありませんが「ピッチングがすごく良くなってきているんです。」と話をしてくれていたピッチャーが、その次の登板時に、脇腹の筋肉(外腹斜筋)の軽い肉離れで戦線を離脱していました。
話を聞いてみると、試合前からアドレナリンがすごく出て集中力もMAX。いい状態で投球ができていて、スピードも出ていて調子が良かったようです。
ですが、投げた時にパチンとなり、あれっ何かおかしいなと思ったら、もうその時点で脇腹の肉離れが軽くあり、そのまま降板したということでした。野球においてピッチャーが腹斜筋の肉離れをしてしまうと、どれだけ軽度でももうピッチングは無理ですよね。
身体が動きすぎる弊害
こういった例を挙げると枚挙にいとまがありませんが、調子が悪い時に怪我をするということは本当にありません。
いつも以上の可動域が出る、加速ができるという状態は筋肉を中心とした腱や靭帯といった軟部組織に大きな負担が掛かります。
だからこそ調子がいい時ほど大きな怪我に注意しなければいけない。これはやはり的を射た格言だなと感じます。
日常生活でも同様のことは起きがち
他方で、社会生活や普通の一般生活においても、スポーツで言うところの「調子のいいときほど気をつけろよ。大きな怪我をするぞ。」というのは、一緒だなとつくづく感じます。
他者に対して、ついつい強引になったり、偉そうな態度で無意識にマウンティングを取ってしまいがちなのが人の常。
私はそういう傾向がある人間なのですが、こういったことは自分ではすぐに忘れるものです。本人はそんなに偉そうにしているつもりはないですし、基本的に体面で話をしていると、変な謙遜はしないので偉そうに聞こえることも多いはず。
結果的に傲慢に聞こえて、相手側が卑下された、何かちょっと自分のことをディスっているんじゃないかと感じるようなことは、相手側はずっと覚えているものですよね。
調子が良かった時の反動で、急にいろいろなものの調子が悪くなったり、仕事が滞ってきたりすると、ブレーキが掛かりだす状態になります。そうなってくると、それまでと変わってガクッとスピードが落ちるので、一気にツケがくるわけです。
周りからサポートをしてもらえず、仕事上での大怪我をすることになったりもします。そして、大怪我の原因というのは実は調子がいい時、自分が調子に乗っていた時に蓄積されていたものが影響していたりするんですよね。
やはり、一般生活というか社会生活においても「調子のいいときほど気をつけろ」というのは、スポーツと同じように大事だなという風に感じます。
謙虚な気持ちで感謝を忘れないこと
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉はもう使い古されていますが、特に日本のような社会においては、自信があって前向きにいった時に少し叩かれやすいです。
どんどん遠慮なくいくことは、本来は問題ないと思いますが、どんぐりの背比べから抜けていくと、そういう人を叩きやすいのが日本の社会の特徴でもあるんですよね…。
上手くいっているときにこそ、周りからみて自分が少し傲慢に見えたり、偉そうに見えていないかなということを意識しておかないとなかなか難しいのかなと、自分の性格も鑑みて思っています。
感謝を忘れず、できるだけその思いを言葉や態度で表していくよう心がけています。
まとめ
「調子のいいときほど怪我をするから気をつけろ」というスポーツ現場の話をしました。
そして、社会生活においても、ちょっと調子に乗っている時の態度や自分の気持ちが、結果的に調子の悪くなった時に影響しているもの。調子がいいときほど気をつけて周りに感謝し、傲らずにやっていくべきですよね。
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YUJI HIROTA
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