日本を代表する大企業であるソフトバンク。この会社もついに2017年11月から副業を全面解禁しますね。
時間を効率化しスマートに働く。
耳障りはいいし、日本全体としてはいい傾向。
それでもこのニュースを聞いて
「へ~、ソフトバンクでも副業OKか。でも俺には関係ないしなぁ。」、「副業OKってなっても今の働き方でいつそんな余裕あるんだよ。…とにかく休ませてくれ!」
といった感想しか出てこない。
こういった人は危機感を持った方がいいですよね。
様々な見方があるとは思いますが、日本はこれから経済的には右肩下がりになっていく、と私は考えています。
世界的な流れを考えても、物質的な豊かさがイコール経済成長に直結しない時代がきています。
余った時代に「余らない人材」になること。この危機感を持っていないと「必要とされる人・されない人」の二極化は更に進んでいく。
今回のソフトバンクの決定と発表には「ますます自己責任の社会になっていくんだよ、会社では全員の一生なんて見きれないからね」というメッセージが含まれているんです。
JOBではなくWORKをしたい
私はニッチ産業の専門的な仕事をしています。意識しているのが「時間を有効化しWORKできる場所をたくさん作ること」。
WORKは「何かを為すための活動や取り組みをして対価を得るもの」
それに対してJOBは「時間を切り売りして労働を課せられているもの」
勝手な定義なのですが、私はそう捉えています。
社会に出て16年目ですが、私のキャリアはWORKで成り立っています。
プロ野球球団に所属していた時は、重圧に負け自分の本質がわからなくなった時期に労働者のような感覚になったこともあります。JOB期間ですね。
この時期は情けないしつらかったなぁ…。
そんな時期もあったからこそ、好きなことを仕事にしたのだからWORKERでありたい。そう思っています。
トレーナーもWORKできる場所を増やすことを意識して
・社会人ラグビーチームでのコンディショニング業務
・アドバイザーとして立ち上げから関わり、企画立案や研修などを行うタチリュウコンディショニングジムの業務
・尊敬するS&Cコーチ、マイクボイルのコンセプトとしてのファンクショナルトレーニングの普及に関わるCFSCの研修業務
・NSCAジャパンや各施設、協会から興味を持って依頼していただくセミナーや講義、研修業務
・トレーニングやリコンディショニングをメインとしたパーソナルトレーニング業務。
・このブログのような執筆を通したある種の広報活動。
前述した定義、「何かを為すための活動や取り組みをして対価を得ている」ので、関わる時間工数や頻度に関わらず、どれも本業です。
どの現場も私の専門性や経験といった「商品力」を買っていただいての仕事ですし、どの比率が一番高まっていくかはその時々の状況で変化もしていきます。本業・副業の区別は明確ではないしその必要もないんですね。
それより大切なことは「WORK」できる場所をできるだけ多くつくること。
私の一番の専門性である、スポーツ現場でのストレングス&コンディショニングに携わる仕事。これはいつ機会が失われるかわからない上、60歳まで出来るような仕事ではありません。
「弘田雄士という商品」を活用してもらえるチャンス。これを生かして様々なチャネルからWORKの機会を得てキャリアを積む。こんな危機感に近い意志をもつことは絶対必要なんです。
どれだけ華やかである種「単価の高い」仕事をいただいたとしても、WORKする場所が一か所。これではこの仕事を失った際は全て失うことになります。
投資の世界のリスク分散、「卵は一つのカゴに盛るな」は仕事においても全く一緒です。
有限である時間を100%仕事に使ってはWorkerではなくLaborerになってしまいますが、求められて働ける場所を多く作っておくこと。
これは治療家であってもアスレティックトレーナーであっても絶対必要。
ビジネスマンがそうなっていくように、トレーナー業界も独立開業していようが、施設で働き社員となっていようが、こういった考えが当たり前になっていくはず。
無意識に会社や組織に「依存する」のは諦めましょう。
思いがけない武器が手に入ることも
違う環境に身を置くと、自分では思いもよらなかった部分が評価されたり、全く違う切り口で求められたりすることがあります。
自分ひとりでは気がつけなかった「思いがけない武器」が手に入る事も多いです。これも「武器を拾いながら走る」の一つの例ですよね。
いまどのような働き方をしているにしても、一つの舞台や会社に限定せずに様々なフィールドで経験を積み、来たる時代の変化に対応できるように準備しておきたいですね。
まとめ
・副業OKの企業が増えるということはより「自己責任」の社会になっていくということ
・トレーナー業も意識しておくべきは「卵を1つのカゴに盛るな」
・いつもと違う環境でWORKすることで新しい武器を身につけることもできる
こちらの記事もおススメです
YUJI HIROTA
最新記事 by YUJI HIROTA (全て見る)
- 音楽とウエイトトレーニングに関する論文から思うこと - 2023年6月16日
- 専門家にオススメの音声配信の活用の仕方 - 2023年5月22日
- 聞きやすい人に相談するな、詳しい本物に相談しろ - 2023年5月8日
- 「コンディショニング」とは複利効果を得られるアプローチだ - 2023年4月24日
- 子どもがスポーツを楽しむために大人ができること - 2023年3月21日