*旧サイトにUPしたものをリライトした記事です。
今回は久しぶりに野球のコンディ
ショニングについて。
野球において最も怪我のリスクの
高いポジションってどこかご存知
ですか。
…投手、とぱっと出てくれば、一
安心。
投球というメカニクスを細かく考
えていくと、野手のそれに相当す
る、『送球』との違いを実感でき
ると思います。
生理学やバイオメカニクスを学ん
でいる方には基本的な話ではあり
ますが、わかりやすく動画も入れ
つつ、投球による傷害リスクを説
明してくれているウェブ記事を
「ふむふむ…」と読みました。
投手の障害リスクを考えると
今回はあくまでもサラッと、
私なりの投手への障害リスクに
関する考え方を述べます。
社会人以上レベルでの投球数制限はナンセンス
私自身は、社会人やプロレベルで
の過度な投球数制限はナンセンス
である、と考えています。
この段階に来るまでに、投手は
各々自分の能力タイプをある程度
把握している必要がある、と考え
ているからです。
S&C専門家として声高にいうべき
事ではないかもしれませんが、
投げる技術や投げるスタミナは、
投げることそのものが最も効果的
なのは、間違いありません。
No doubt!!ってレベルです。
必要な投手は、トレーニングでは
なく「投げること」で投げる体力
や感覚を掴んでいく必要があり
ますよね。
高いレベルでプレーする投手は、
強く速い球を正確に投げるために
例えば、
[box class=”blue_box” title=”トップレベル投手の投球調整法”]
1.ブルペンで30球全力で投げることを毎日行う
2.週に2回の60-70球のブルペン。それとは別に50M以上の遠投を週に1回
[/box]
といったように、自分に合った調整
法を身につけているべき。
もちろんそういった感覚や知識、経
験がない投手には、S&Cコーチが投
手コーチをある程度説き伏せなが
ら、こういった調整法や練習がい
いのではないか、と伝えていくわけ
です。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/02/baseball-1513699_640.jpg?resize=240%2C300&ssl=1)
小学生から高校生ぐらいまでの投手で考えるべきこと
投球による障害リスクを考える上で
最も問題なのは、身体が発達成長段
階にある、小学生から高校生ぐらい
までの投手です。
今回紹介したウェブ記事にも書いて
あるように、投球という行為そのも
のが投球時の各フェーズ毎に負担を
かけています。
本来の人間の動作から考えると、投
げること自体が相応のリスクなんで
すね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/11/baseball_pitcher_man.png?resize=275%2C300&ssl=1)
完全な骨化がまだ為されず、特に肘
周囲の軟骨組織が多くまだ脆い時期
の子供たち。
どんな理由があろうと過度の投球数
は、百害あって一利なしです。
特にアーリーコッキングからレイト
コッキングにかけての肘内反ストレ
スを極力減少させる事は、本当に大
切。
身体の発育具合にもよりますが、小
学校4年生ぐらいまでは、テイク
バックを小さくした投球フォームを
指導し、ストレッチ・ショートニン
グ・サイクル(SSC)を利用しない
形から入った方がいいでしょう。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/11/baseball-1615665_640.jpg?resize=300%2C240&ssl=1)
投球後のストレッチも効果がないこ
とはないですが、可動域の問題とい
うよりは、骨を中心とした構造の
問題が大きい。
ジュニア選手に対しては、野球以外
の動作習得を意識的に行わせたり、
非利き腕側でのスローイング遊び
などを積極的に取り入れて欲しい
ですね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/01/soccer-2093952_640.jpg?resize=300%2C198&ssl=1)
アスリートの貴重な情報発信
友人である渡辺俊介も甲子園を目指
すための投球過多の問題について、
度々言及しています。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2018/11/DSCN0117.jpg?resize=287%2C215&ssl=1)
ちょっと前のブログ記事ですが、
自らの経験も踏まえて、彼自身の言
葉で文章を紡いでいますので、読ん
でみてください。
俊介に関しては、2017年以降は専
らInstagramで情報発信していて、
ブログは休止状態。
それでも彼のように野球界で実績の
ある選手が、知識と経験を、アマ
チュア指導者や親御さんたちに、
この時期のコンディショニングの
大切さを伝えていく。
これって大きな影響力があります
よね。
ダルビッシュ投手も、志を持って
自らの立場を理解しつつ、コンディ
ショニングの重要性をたびたび
発信してくれています。
こういった発信をするアスリートが
増えてきたのは本当に嬉しいし、
心強いもの。
我々専門職のスタンダードももっと
高めて、正しい情報が常識になるよ
うにしていきたいですね!
投球数制限に関しては、私も以前
ブログに考えをまとめていますの
でぜひチェックしてみて下さい。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2017/12/IMG_7060-4.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
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YUJI HIROTA
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