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チームスポーツのプログラム作りの勘どころ ダイジェスト

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先日、2018年3月11日に千葉県南流山市にあるNSCAジャパン施設HPCにて、NSCAジャパン南関東AADセミナーをさせていただきました。

ご提案いただいたのは、もう7~8年のお付き合いになる高屋敷さん。私の性格も把握していただいて、準備段階から当日の時間調整まで、完ぺきにフォローしてくださいます。これだけ気持ちよくセミナーそのものに集中できることはないぐらい、恵まれた環境下での6時間でした。

座学内容ダイジェスト

チームスポーツのプログラム作りの勘どころ

私が担当する1日セミナーの王道パターンは、座学と実技が5:5もしくは4:6ぐらいのもの。今回も午後はほとんどの時間を実技としたのですが、前半の座学部分の軽いダイジェストをご紹介しますね。

チームスポーツのプログラム作りの勘どころ

1.KISSの法則で作る「Keep it simple,stupid.」“シンプルにしておけ、この間抜け!”

とにかくシンプルにすること。自分が全てのトレーニング実施時に指導できる環境は限られていますよね。そして多人数への指導を考えると、できるだけ間違った動きをする可能性のある難易度の高いものは減らしたいです。

2.ストレングスではトレーニング変数は一つだけ変えるのが基本

ニュージーランドやオーストラリアなどでは、ストレングスプログラムでは1セッションごとにトレーニング変数(回数/セット数/テンポ/重量etc)を変えるのがスタンダードになっています。

4~5週間を1単位と考えて、その期間に変数を変えていくのが基本戦略ですが、同時に複数の変数をいじるのはKISSの法則にも反しますよね?

種目の実施テンポだけ、使用する負荷アイテムだけ。基本変化をつける要素は1つに絞るのが無難です。最もよく変えるのは、セット数×回数で「2ついじってるじゃん!」とツッコミが入りそう…

この2つに関しては、ダイレクトにトレーニング全体の総量に関係するので、私は2つで1つの変数として捉えています。4セット×8回で6種目の次のセッションでは5セットx6回で同種目を行う、というように、総量で大幅に増加/減少しないように調整する必要があるからです。

3.スーパーセット・トライセットを使いこなす

この辺りはリライトして改めて後日ブログ記事に載せますね。本質的ではない部分ですが、多人数でトレーニング実施時間も施設も限られていることが多いチームスポーツ。効果を落とさず効率的にトレーニングを実施するには、スーパーセットとトライセットをうまく活用するのって大切です。

4.アップ、フィットネス、ストレングスは3つで1つ

少なくともこの3つに関しては「3つで1セット」と考えています。まずそのチーム全体に対する「最大公約数的な課題」を解決するのが短期的な目標になるはず。

チームスポーツを担当してこなかった専門家ほど、この課題をストレングストレーニングのみで解決しようとしがち。それって不可能ですよね。

エクササイズ種目が増えて、1つ1つの動作精度は落ちて質が下がる。ストレングストレーニング中のケガが増えることにもつながります。

課題に対する方法や手段、すべきことをまずはブレインストーミング。その中から「これは筋道を立ててストレングス部門で向上させていこう」、「この動作作りは年間を通してウォーミングアップ時間で指導していこう」…。

最低でも自分がメインで関わる3つのジャンル全てを活用して、この課題に取り組めばいいわけです。結果的に統一感のある徹底した指導が行えるようになります。

初級者ほど、このセッションではこれ、あのセッションではこれ…という思考に陥りがち。担当する全部のセッションで「課題となるもの」を改善させていくために補完し合うという考え方が大切ですよね。

現場の心情がわかるからこそ「削ろう!」

これ、文字で起こして聞くと、ごく当たり前のこと。でも一人で新しいスポーツ現場に立ち、自分ですべてを決めていけない状況にポンっと置かれたら…

こういった「一つ一つを単体として一生懸命考えちゃう思考」って現場あるあるだと思います。

だからこそ、当たり前のことを肝に銘じておきましょう。そうでないとプログラム作成に5時間かけても10時間かけても、それこそ1週間かけてもカチッとした自信のあるものが出来上がりません。

あるあるついでにもう一つ。一生懸命考えれば考えるほど、経験が浅いうちは量がふくらんでしまうものです。だから「メニューを足そうか減らそうか悩んだら『100%減らして』勝負」です。多いのがいい、ということは経験上、ほぼありません。

自分の不安を埋めるために増やした種目は、目の前の選手の利益よりもリスクをあげてしまうもの。勇気をもって削りましょう。

 

まとめ

3月11日のNSCA南関東ADセミナーではこんな内容も含めて、お話と実技をさせていただきました。弘田雄士という商品が、高い価値を持って提供できるのは「机上の空論」ではなくて現場のリアル。原理原則や基本を踏まえたうえで、こういった部分を今後も提供していければいいなぁと思っています。

この日のセミナーはコンテンツ統括ディレクターとして籍を置いているタチリュウコンディショニングジムの浅香広樹コーチと井上めぐみコーチがアシスタントとして参加してくれました。

デモや準備をササっと手伝ってくれたおかげで、スムースに気持ちよく脱線しながら(笑)楽しい時間を過ごすことができました。受講者の皆さんもラスト15分ほどおしてしまいましたが、ご参加ありがとうございました!

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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