スポーツ現場で働いていて、時代の
流れを感じることの一つ。
それが選手の平均的な視力の低下です。
もはや裸眼の選手を見つけることの
方が難しいほど。
かくいう私もとんでもなく目が
悪くて苦労してきた人間の一人。
多くの人々を救ってくれるかもしれ
ないバイオニックレンズに関する
情報記事を書いていきます。
新しい選択肢としてのバイオニックレンズ
バイオニックレンズとは、
事実上、人間の水晶体の代わり
となる人工水晶体のこと。
Garth Webb博士が提唱してる、
新しい視力回復の手法です。
基本的な理論
バイオニックレンズの移植は白内障
手術と大きく変わらないとのこと。
特殊なポリマー素材でできた眼内
レンズを、目の中に設置。
痛みはなく、施術時間がおよそ8分で終了。
視力が「1.0~3.0」!まで理論的
には、回復するといわれてます。
バイオニックレンズのメリット
[box class=”blue_box” title=”考えられるメリット”] ・手術時間が短く、入院の必要なし・白内障や緑内障の心配がない
・コンタクトレンズのようなつけ外しの
手間がない[/box]
実際に視力3.0が必要な状況は
少ないですし、現実にそのレベル
の視力にまで上がるのか、わかりません。
入院の必要がなく、白内障や緑内障
の予防としても機能するのであれ
ば、検討する人も多くなるかもしれませんね。
バイオニックレンズのデメリット
[box class=”red_box” title=”考えられるデメリット”]
・長期的な副作用に関してのデータがない
・日本に導入された初期には価格帯が大きく
分かれ、高価になる可能性がある[/box]
レーシックもそうでしたが、長期的
なデータがとれていないというのは、常にリスクです。
現在「バイオニックレンズ」の承認
に向けて動いているのは、Ocumetics
Technology Corporationという民間
企業ですが、HPによると「片目で
およそ$3,200前後(カナダドル)」と記載されています。
日本円にするとおよそ30万円程度
といったところ。
もちろん高価であるのは間違い
ありませんが、日本に導入された
場合は、価格競争が起きる可能性が高いでしょう。
これもレーシックが導入され
始めたときを思い出せば、イメージできますよね。
2018年現在のバイオニックレンズの実用化は
現実問題、この手法の実用化は具体
的にどんな状況にあるのでしょうか。
実用化スタートは2019年3月予定
Ocumetics Technology Corporation
社は製品開発には10年を要し、
開発費は今まで約3百万ドルかけて
きたとのこと。
バイオニックレンズの大量生産
向けの設計調整が遅延したため、
発売は1年延期となったと発表しました。
2018年現在の予定では、2019年
3月にカナダとヨーロッパ圏で
発売される見込み。
アメリカのFDAはそこから
2~3年後に承認されるのでは
ないか、と予想されています。
日本に入ってくるのは、少な
くともアメリカなどで導入された後。
今までの新開発技術の流れを
考えると、早くても2022~2025年
辺りではないでしょうか。
スポーツ選手に対する浸透度もポイントに
海外でバイオニックレンズが浸透す
るかは、緑内障や白内障リスクの
ある高齢者の利用率が大きなポイントでしょう。
それに加えて、スポーツ選手がどれ
くらい導入するか、というのも一つ
の指標になると個人的には思っています。
特に私が今深く関わっているラグビ
ーでは、競技性質上、絶対にメガネはかけられません。
自然とコンタクトレンズしか選択肢
がなくなってしまいますが、試合中
にコンタクトが落ちるのは、日常茶飯事。
レーシックを受けた後でも、角膜の
ダメージという問題が出るケースが
あったように、新手法でもどんな副作用があるのかはわかりません。
脳と視覚の関係が研究されている
昨今では、安易に視力矯正をする
ことによって、平衡感覚などの
微細な調整がかえって狂う、と
といったことも考えられるでしょう。
しかし、この手法が目へのダメージ
が少なく、リスクも多くないので
あれば、挑戦する選手も増えてくるでしょうね。
まとめ
私自身、現役時代ずっと目の悪さに
苦しんできた一人。
2009年の冬に、思い切って視力
矯正のレーシック手術を受けました。
約10年たち、左目は0.7、右目は
0.3と徐々に視力は落ちて、車の
運転時にはまた眼鏡が必要に。
それでも何とか裸眼でも生活
できるレベルになったのは、大きな
喜びです。
特に最近頻発している自然災害を
考えると、メガネやコンタクトなし
で何も見えない…という状態への
不安は、極度に目の悪い人には
理解していただけるはずです。
何でも新しい情報に飛びつくの
は、リスクが大きいし、ましてや
選手に対して軽々にアドバイス
することは避けるべき。
ただこういった日進月歩の分野
に対しても、日頃からアンテナ
を張っておくことは大切ですよね。
カナダを中心とした実用化が始ま
れば、意外と浸透するまでの
スピードは早まる可能性もあります。
今後の進捗状況に注目しておきましょう!
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YUJI HIROTA
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