私は普段、コンディショニングコーチという名前で仕事をしています。
ほとんどの場合は「トレーナーさんっていうことですよね?」や「なんでコンディショニングっていうんですか?」と、一発で分かってもらえません。
あまり浸透している名称ではありませんが、こだわりがあるので頑張って使っています。
この記事では「そもそもコンディショニングって何?」ということを、できるだけ噛み砕いてお話していきます。
コンディショニング≒相乗効果と複利効果を持ったもの
一般的には、コンディショニングは
「快適な日常生活を送るために筋力や柔軟性、全身持久力といった数々の体力要素を総合的に調整すること」
と定義づけられています。
ここには栄養学やバイオメカニクス的な要素というのも加味されていて、体にいいと思われること全般のことをコンディショニングと総称することもできるかと思います。
「ストレングス&コンディショニングが私の専門です。」なんて言うのですが、ストレングス(筋力的なこと)は本来コンディショニング要素の中に含まれています。なので、「ストレングス&コンディショニングコーチ」というのは「頭痛が痛い」ではないですが、ちょっと重複している変な表現です。
だからこそ、ストレングスも当然入っているということで、私自身はコンディショニングコーチという名前にこだわりをもっていて、気に入っています。
もう20年間やってきていますので、本来はいつでも「コンディショニングコーチの弘田雄士です。」と言いたいところですが、どんな仕事してるの?なんのこと?となってしまうので、最近は一般的な場所では「スポーツトレーナー」とわかりやすい表現で自己紹介をするようになりました。
半ば諦めに近い感覚ですが…
コンディショニングとしてのアプローチは、ほとんどのものが単体での効果は派手ではありません。でも、コンディショニング的アプローチの魅力は、組み合わせた時の相乗効果がすごく大きいところです。
言い換えると「単利ではなく複利効果が見込めることが最大の魅力」という風によく表現します。
単利と複利の違い
単利は元本にのみ利息がつくというパターンです。
例えば、100万円に対して利息5%であれば、単利の場合は1年間で105万円になります。そして、2年目も元本の100万円にのみ利息が掛かるので+5万円になります。2年で110万円になり、トータル利益は10万円です。もちろんあくまで例えであり、今利息5%なんてないですから、めちゃくちゃ優良ではあるますけれど…。
これが複利になると、元本+利息に利息がつきます。
同じように100万円に対して利息5%であれば、1年目は105万円で単利と一緒です。しかし、2年目は元本+利息の105万円に対して利息が5%掛かるので、+5.25万円になります。2年間トータルの利益が10.25万円で、2,500円の差がつきます。
さらに3年目には、110.25万円に対して5%の利息がつくということで、10年20年になるとものすごい違いになるわけです。
複利効果が見込めるのがコンディショニング
話を戻しますが、コンディショニングのすごいところは、続ければ続けるほど差が大きくなるという点です。
コンディショニングという概念の魅力に取り憑かれているからこそ、私自身は継続することを怠らないというか、色んなことをちょこちょことやっていくことが身についているのでしょう。
ブログやnote、Twitterに音声配信という違うプラットフォームで発信をしているのも、複利効果を狙っているというか、期待してやっているというのが実際のところなんですね。
例えば、1日2種目だけのストレッチをちょっとやる。リカバリーとして、フォームローラーやアイスバス的なものなど、自分に合うと思うものを無理のない程度に毎日少しずつ続けていく。食事の摂り方やタイミング、サプリメントの利用の仕方などなど…
微差を積み重ねることで大差になっていくのがコンディショニングのすごいところです。
こういったことを、最初にしっかりと選手やアスリートにも説明しておくと、なんとなく面倒くさいなと思っていても、そんなに違いが出てくるのなら…と取り組んでもらいやすくなります。また、他の選手とも差がつけられるんだということで、続けてくれる選手も増えたりします。
コンディショニングの概念や複利効果があることをしっかりと言語化して伝えることができれば、よりやる気になったり、モチベーションを高めることができるのではないかと思っています。
ぜひ指導者やトレーナーの立場として、選手や学生に関わる立場であれば、複利効果の例えを上手に用いながら、選手たちが主体的に取り組めるよう、促してみて下さい。
教育のつもりが、どこか強要の雰囲気が出てしまったり、義務化してしまう。
現場あるあるですが、こうなってしまうと、本人たちが効果を実感する前にやめてしまいます。上手にその気にさせることに注力してみてください。
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YUJI HIROTA
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