顧問を務める株式会社フラスター
の企画する「弘田塾」の第一回目
が2019年4月にスタートしました。

未来の希望に燃えるトレーナー
の人たちの第一回目として相応し
い内容か、迷ったものの、
「スポーツ現場で生き残るため
に必要なこと」というタイトルで
2時間お話をしました。

改めて伝えたかったことの1つが、
「憧れの現場を持つのはいいこ
と。でも目的ではなく手段と捉え
よう」
ということ。

過去ブログ記事に加筆した内容を
UPします。

憧れの舞台は目的ではなく手段に

若い世代のトレーナーをしている
人たちや、これからトレーナー業
を目指す学生たち。

話を聞いてみると、

「いつかオリンピックに出場する
選手をサポートしたいんです!」、

「オリンピックに携わるような
キャリアに憧れています」

という言葉をよく耳にします。

私自身はなぜだか分からないの
ですが、オリンピックに関して
は仕事としての興味はほとんど
なく、専ら一国民として楽しむ側。

それでも、
「きちんと勉強し経験を積んで、
プロ野球の現場で働くんだ!!
という思いで、Strength &
Conditioningの世界に飛び込んだ
人間。

その気持ち、よくわかる部分も
あります。

こういった思い、自分のキャリア
ビジョンの中期におくのはいい
すよね。

仕事として確立していくためにも、
自分のキャリアの中でオリンピッ
クのような大舞台にて、必要と
されて選手をサポートする機会を
得る。

大きな信用につながりますし、
ある種の夢実現のためのモチベー
ションになるので。

一方で「オリンピックにトレーナ
ーとして関わりたい」、

「トップレベルのスポーツ現場で
働きたい」

ゴールとして設定し、そこに
向かって一心不乱に邁進する、
というのは大きなリスクだなぁ
と思っています。

目的とした瞬間に、ある種のゴー
ル意識が生まれるからです。

いちばん大事なのは、憧れの環境
に立った後、自分がどうしていけ
るか、そのチャンスをどう生かす
か、ですよね。

 

ゴールではなく過程と捉える設定例

水泳日本代表のトレーナーとしてオリンピックに帯同し、現場でないと経験できないリアルと緊張感を吸収したい。

その経験を生かして、大学スポーツでの教育としてのトレーナー啓蒙活動を行っていき、後進指導を行う。

同時に世界のトレーナー事情を直に学び、インプットとアウトプットがそのまま仕事になっていくようなキャリアを築く。

 

…どうでしょう?

これぐらいストーリー性のある
ゴール設定ができれば、難易度
の高い、憧れの現場での仕事も
ぐっと現実的な手段の1つになっ
ていくはず。

「夢」や「憧れ」、「目標」や
「目的」のうちは、現実にして
いく力って強まらないのが普通。

自分の中で整合性のある手段と
して認識してしまう。

ある種、自分の脳を騙すことで
想いをリアルにする可能性は
グッとアップするはずです。

華やかな世界をゴールにする別の弊害

国立スポーツ科学センターJISS
に所属しオリンピック選手を支え
たトレーナー関連業務の方たち。

多くは私もお会いしたり親交のあ
るメンバーです。

5年周期の1つに当たる2016年
度は、多くのメンバーが入れ
替わりとなりました。

契約は1年毎で期間は計4年。

その後もう1度だけ4年間、
五輪は2大会にのみ関わるこ
とができるものの、その際
は半年の空白期間が必要に
なる。

これがJISS所属のトレーナー
業の方のオリンピックに関わ
る際のルールです。

もちろん全てのオリンピック
種目が文部科学省日本スポー
ツ振興センター(JSC)に委
託しているわけではありませ
ん。

業務委託の形や施設からの出
向の形でオリンピックに関わ
る人たちもいらっしゃいます。

しかし特にオリンピック関連
のお仕事は急に決まって急に
終わることが多い印象。

オリンピックだけでなく、ス
ポーツ現場に関わるトレーナ
ー業の雇用環境はますます厳
しくなってきました。

社員として従事できるような
環境は今後さらに減っていく
一方でしょう。

今後、オリンピックやアスリ
ートスポーツの現場に携わって
いきたい!という気持ちを持って
いる人は、
「いつハシゴを外されても仕方
がない」というぐらいの覚悟と
ある種の達観が必要になるの
です。

もしあなたが、
「とにかくオリンピックにトレ
ーナーとして関われたら、何も
いらない!それしか考えられな
い!!」
といった思いで、全力で走って
いたとしたら。

突然、自分の思い描いていた
舞台が奪われたり、あると思っ
ていた可能性が剥奪された
瞬間、「燃え尽き症候群」の
ようになってしまうはず。

こんなリスクは絶対避けたい
ですよね?

 

憧れの舞台や環境も利用する「したたかさ」を

仕事として選択する以上、どん
な環境下でも生き延びてことが
必要です。

具体的には、自分の所属先や働
き場所を数か所確保。

きちんとした戦略を持って業務
にあたる。

ある種の「ロマンとそろばん」
を備えて、自分のキャリアを
構築していかないといけません。

あなたが知っている有名なトレ
ーナーも、S&Cコーチも長い間
第一線で活躍されている人は、
例外なく「ロマンとそろばん」
のバランスに長けています。

ワクワクするような夢の環境や
チーム。

そこを活力にするのはもちろん
いいこと。

ポジティブで現実味のある力に
変えていくためには、その思い
が叶った先まで見据えて、
「目的だった場所」をその後
どんどん利用できるぐらいの
したたかさを備えましょう。

そのイメージが具体的になれば
なるほど、あなたの夢が現実に
なる可能性は高まるでしょう。

夢や憧れ、目標ではなく、ちょ
っと難易度の高い手段の1つに
なるわけですから。

考え方をちょっと変えるだけ。

頭の片隅に置いておいてくだ
さい!

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。









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