2018年は定期的に野球の現場指導に、
スポットで立たせてもらっています。
監督や技術コーチと話している中で、
改めて実感する事。
それは「クライアントのニーズに
応えることの大切さ」です。
何を当たり前のことを?と思うかも
しれません。
しかし「相手の真のニーズ」が
わかっていない専門家はことのほか、
多いのです。
今回のようにスポットで行かせて
もらう野球現場。
オープン戦を目前に控えたこの時期に、
半日を私に提供してくれてまで
現場が求めているのは「即時的な変化」。
野球の動きとその問題点をトレーニング
やコンディショニングという手段を
使って提供する。
S&C専門家としては邪道かもしれ
ませんが、商品としての私の強みの
一つはここです。
シーズンの中の時期、チームの立ち
位置。そして各選手のチーム内での
立場や残された時間のイメージ。
これらを前もって理解したうえで、
与えられた時間でいかに即効性の
あるヒントを与えられるか。
それが今の現場では求められて
いることを強く意識しています。
お前の仕事は技術指導の手助け
じゃないだろ?
そういわれたら、その通り。
しかし現場が求めているのは、
「チームが強くなること、そのために
個々の選手がレベルアップする事」です。
あくまでもその手段として必要だから
トレーニングやコンディショニングの
専門家がいるのであり、回復を早めたり
ケガを予防するアスレティックトレーナーが欲しいのです。
これ、我々は意外と忘れがちです。
我々は大事な要素ではあるものの、
一つ手段なんです。
だから、まずは相手のニーズに対する
成果を出すことが大切。
この大前提を忘れてはいけません。
「相手のリクエスト通りにやれってこと?
それこそ方法論だし枝葉の指導だ!」
…おっしゃる通り。間違いありません。
しかし、まず目の前、近視眼的な
部分であってもチームが求める
現状打破のきっかけを作ること。
そこでチームやクライアントが
「この人がきていい方に変わってるな」
と思われる手ごたえを感じてもらう。
期待に2~3回と応えていくと、
クライアントからの信頼を
勝ち取り実績を作ることができます。
「ああ、この人に任せれば、チームが
いい方に行くのは間違いない。この人なら間違いないな」
その状況を作って初めて、本質的な
長期的視点での強化や教育ができる
チャンスを得られるのです。
少なくとも、私が関わってきた日本の
スポーツ現場の現状では、このパターン
がもっとも多いのは間違いありません。
トレーナー派遣会社を介したり、紹介を
していただき年間契約の仕事をポンっと
いただく。
こんなパターンもありますが、キャリア
の初期にこそ有効なパターン。
契約社会に生きるトレーナーの王道では
ないと思っています。
難しいタスクではありますが、まず
短期的且つ即自的な効果を感じてもらい
「お、この人材はいい商品だな」
と信頼される。
この状況を作れて初めて、スポーツ
現場という「椅子の少ない業界」で
報酬という対価を伴っての新規契約
を受注できるのだと思います。
今、自分に足りない要素として一生懸命
マーケティングも勉強しています。
少しずつマーケティングの概念を腹落ち
させていく中で感じるのは、トレーナー
業界こそマーケティングを学ぶべきだ、
という思い。
起業家やアンドレプレナーに必要と
される考え方、
「遠くの北極星(理想)を見て、足元を
照らせ(目の前の現実を解決する)」
はトレーナー業にも100%当てはまります。
ビジョンがあるのは当たり前。
利他の心でそのビジョンを成し
遂げるには、まず一商品として市場の
ニーズを知り相手の期待値を超える
ソリューションを提供することです。
こういった意識なしでは今後、我々の
業界で生き残っていくことは難しいでしょう。
私自身、常に危機感を持っています。
そんな意識で、仕事をしている自分だから
こそ、同世代以下のトレーナーからの
ニーズがあるのではないか。
そう考えて、月1回のペースでトレーナー
業向けの「食べていくための戦略」を
テーマにしたセミナーを行っているんです。
ズームインとズームアウト。
理想と現実のバランスをうまく取りつつ、
人の役に立つ生きた商品になっていきましょう!
・自分という商品に対するクライアントのニーズを徹底的に考えよう
・本質的な変化を生み出すチャンスを得るために、即時的変化を見せる必要がある
・独立独歩で食べていこうと考えるならば、マーケティングの知識は今後必須