次女がサッカーに熱中しているおかげで、小学生や中学生の女子サッカーを見ることが増えています。先日も子供たちの試合の様子をみていたのですが、そのときに気がついたことがありました。

次女の幼なじみである同級生、小学六年生の女の子のパフォーマンスが今までと大きく違って見えたのです。

成長期の子供を襲うクラムジー

クラムジーという状態を知ろう

まだまだ小さい次女とほぼ同じくらいの背格好だった彼女。パッとみると2か月程度でちょっと体格も変化があった印象でした。男子ほどわかりやすく背が伸びたという感じではないものの、足だけがスーッと長くなったような感じ。

気のせいかな~と思っていましたが、実際のサッカーの中の動きをみて確信しました。やはり体が変わってきていて、その体をもて余していたんです。

英語でClumsyは「ぎこちない・不器用な」といった意味を持つ言葉。成長に伴う一時的な運動能力、身体能力の低下時期を指します。

男子の場合、1年間で15㎝ほど背が伸びるのも不思議ではなく、急激な身体的変化に神経的な適応が出来ていないことが大きな要因だと考えられています。

バイオメカニクス的な見地からも急激な脚長の変化によって、慣性モーメント(回りやすさを表すもの)が変化することも分かっているのです。

PHV(Peak Hight Velocity)という最も身長が高くなる時期にクラムジーが起こる可能性は高く、可動性や柔軟性も一時的に低下しスティフネスが生じるのが特徴です。一時的な筋力低下が見られる場合さえあるのです。

私が今回違和感を感じた、次女の幼なじみのケースは男子のそれに比べると分かりづらく、クラムジーだとしてもその初期段階だと思います。

女子の場合は、PHVという身長の変化にしても男子に比べて下肢長が先にピークに達する傾向があるうえ、第二次性徴からの影響も考える必要があります。総じて男子に比べてその見極めが難しいと思いますが、

1)床面から大腿骨頭の垂直距離で測る下肢長を半年に1回程度継続的に計測する

2)オーバヘッドスクワットや体前屈、マルチセグメンタルローテーションといった可動性を継続的にチェックする

3)初潮や乳房の発達などを確認していくこと

こういった複数の簡易なチェックを組み合わせることで、クラムジーに陥っている可能性が推察できるのではないか。自分のキャリア後半では、ジュニアスポーツへの貢献をしていきたい私としては、そんな辺りをつけているところです。

判別は難しいですが、「クラムジー」という概念とその傾向を知っておくこと。これはボランティアで小・中学生を指導をされているコーチや指導者の方にも絶対に知っておいていただきたい知識です。

 

親も知っておくべきクラムジーの知識

今回の例に挙げたお子さんに関しては、お父さんとお話しする関係なのでお節介だなぁと感じつつも、LINEをしました。

「クラムジーという時期に入っていると思います。さぼっているわけでもなく、一生懸命やっていても少しずれが生じているのではないでしょうか。パフォーマンスが出ないから、といって叱ったり更に練習をさせる、といったことは避けた方がいいと思います。

膝裏や背中など強く打ってもいないのに、今まで感じなかったような張りや痛みがあるようでしたら、余計にその線が強いと思います。

逆に言うと今、身長も最も伸びてくるでしょうし体の変化も大きい時期なんだな、と見守ってあげてほしいです…。」といった内容でした。

幸いにもそのお父さんからも理解を得られたのでホッとしました。

なかなか一般的な概念ではないのですが、このクラムジーに関しては、指導者だけでなく年頃の子供を持つ親御さんにも知っておいてもらいたいもの。

急激な体の変化に戸惑っている時期の子供に対して、「何で今まで出来ていたことが出来ないんだ!」、「体も急に硬くなってストレッチなどの準備を怠っているんじゃないか!」みたいな声かけは、むしろ残酷なこと。

知っておきさえすれば、もう少し有益なアドバイスを子供にしてあげられるはず。ぜひ成長期特有のこの現象、頭の片隅に置いておいてもらえれば嬉しいです。

 

 

まとめ

・クラムジーは「ぎこちない・不器用な」という意味の言葉

・成長期の子供独特の急激な発育によって神経的な発達が追いつかない現象を指す

・簡易チェックを組み合わせることで、クラムジーであるかをある程度判別できる

・指導者や保護者もクラムジーという知識を持っておくことはとても大切

 

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。









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