トレーナー業界に関わって2018年で16年目に突入しましたが、今まで全く同じタイプの質問を何度も受けてきました。
それが「資格取得」についてです。誰しもが陥りがちな思考だと思いますので、私なりの見解をUPします。
資格が表すものは何
まず最初の資格に応じた実力を身につける
質問の内容の多くは、「現在私は学校に通い〇〇を学んでいます。〇〇の資格取得する予定なのですが将来トレーナーとして働くためには、この資格だけでは不十分だと感じています。更に必要だと思われるものとして、どんな資格がおススメでしょうか?」というもの。
将来トレーナー関連の業務に携わりたいと考えている目的意識の高い学生。まだまだ実感としてわからない世界に対して、必死に考えるとそういった思考になるのは無理らしからぬところかもしれませんね。
私の答えは一貫して「まずはその〇〇をしっかりと磨きましょう」というものになります。
資格取得はその分野のエキスパートになった証明ではありませんよね?自分自身としては、むしろようやく入り口に入れた、という「通行手形」みたいなものと考えた方がいいでしょう。
周囲の人からすると、その資格取得によって「あ、〇〇なんだ。それじゃあこういうことをお願いできるよね?」という期待を抱きますが、その期待に100%以上の結果で応える。それで初めて「その分野で食べられる状態になった」ということなんです。
掛け算になりうる状態になってこそ次の資格を考えよう
1つの分野で平均以上、1.0以上の能力をまず持つこと。自信を持ってその状態になってからであれば、その後違う分野の能力を伸ばすことで「掛け算」要素になっていく。これは間違いありません。
私も3年かけて2014年にはり師・灸師の資格を取得しました。10年以上S&Cの専門家として現場に携わった後のことです。
今後この分野の強みを更に生かしたり、S&Cをひたすら深掘りするのみの何%よりもCoメディカルの分野が自分の仕事の幅を「掛け算」として広げてくれるはず。そう感じられる段階になって初めて挑戦しました。
この思考が健全だなぁと思うのは、2つ目以降の大きな資格挑戦が完ぺきな「手段」として捉えられる点です。
大学や専門学校側からすれば合格率がその後の学校の評価につながりますから、ある種目的になっています。でも学生一人一人はあくまでも「やりたいこと、なりたい自分への手段としての資格取得」であるはずですよね?…資格取得までの道のりが長ければ長いほど、「資格取得がゴール」という目的意識にすり替わりがちなのに注意が必要です。
1つの分野である程度実績を残した後であれば、シンプルなこの事実がぶれることはありません。よく言われている表現ですが「資格取得というテープを切ること」ではなく「テープの20~30M先に待っているクライアントにたどり着くこと」を目指すようになるわけです。
あくまでも結果的に資格取得を為すという意識になりますから、当然高い確率で受かります。人間の能力の差なんて大してありませんから、目的意識の差で大きく結果って変わります。そんなものなんです。
資格の取り方に「迷走」が見えることも
履歴書や名刺を拝見する機会があり、資格欄にズラーっと取得資格が並んでいると、「ああ、不安なんだろうなぁ。」とまず感じるのは私だけではないと思います。
その人の働き方そのものの「迷走」の歴史が垣間見てしまう気がしませんか?
流行りの資格を一通り取得するタイプや、自分が働く中で直面した不安感を対処療法的に取り除こうとしているタイプ(例えば日体協ATC取得後、カイロプラクターやメンタルカウンセリング系の資格を取得)などが推察されます。
知識や好奇心を得るために資格取得をすることは全く悪いことではありません。しかし仕事をしていく上で能力UPを考えてのアプローチであれば、その資格内容や取得時期を時系列でみたときに、ある種の整合性が感じられるはず。
私はよく「走りながら武器を拾え」という表現をしますが、真剣に在りたい自分の道を邁進していけば必ず必要な要素は出てきます。
その必要なものは、自分の選んだ専門分野を真摯に進んでいって初めてわかるものなんですよね。その感覚が出た時点で、新たな分野の勉強や資格取得を目指せばいいのでしょう。
当然、自分の最大の武器となるであろう、もともとの専門分野をもっと深く広げるアプローチは続けたままで、というのを前提条件としたうえで。同時進行しないと、「強み」がなくなっちゃいますからね。
まとめ
・まず一つの専門性を磨こう
・掛け算要素になるであろうと判断したら「手段」として資格取得を考えよう
・多くの資格取得を知られることが「不安なのでは?」と逆効果になる事もある
・私も結果的に資格取得できた講座などあっても明記しないものあり
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YUJI HIROTA
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