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腰痛対策としてのコルセットの役割について考える

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人生で数回ですが急性腰痛、いわゆるぎっくり腰に襲われたことがあります。初めてのぎっくり腰は忘れもしない20歳の大学生の時でした。

19歳のときに生死を左右してもおかしくないほどの大事故で右膝蓋骨複雑骨折&右下腿裂傷で32針縫った私。体育学科に入学したものの1年時の体育はほぼ見学に…。

まだ動きに制限はあるもののこれならば確実に運動でもAがとれるだろうと選択科目として取った「ソフトボール」のクラス。ずっと野球をやっていたので、スローピッチ式で行われる授業なら楽勝だろう、と安直に考えたのでした。

まだ90度まで曲がらない右膝で自転車に乗り、大学横のグラウンドへ。時間がおしていたこともあり、ろくにアップもせずに慣れない右でバットを思い切り振った瞬間、腰に力が入らない状態に。

「ああ、これが腰痛なんだ…?」と初めて体験したんです。

 

コルセットの長期使用は腹筋群の低下を招く

まだリハビリといて通っていた病院の理学療法士さんから、「体のバランスもまだ全然調っていないのに、いきなりフルスイングなんて駄目に決まってるだろ!」と怒られつつ持たされたのが、コルセット。

確かに痛みが和らぐんですよね。でもこれって腹筋群の筋力を低下させちゃうんじゃなかろうか、と常々思っていたんです。2015年過ぎたころから、コルセットの効果に関する論文が増えて興味を持っていたのです。

まだまだリサーチ記事は多くはないのですが、「コルセットを長期間使用していることと筋力が低下することは今のところ関係がない」…。これが多くの論文からの結論だったとのこと。また論文内では「コルセットをつけることで腰の痛みが改善する」こともない、ということでした。

 

動きの改善に効果的=痛みが改善したと錯覚するのかも

今回紹介した記事内では、コルセットに関しては長期使用したとしても筋力低下への懸念がない、という結論に驚きました。勝手に長期的なコルセットの使用は筋力発揮への妨げになるのでは、と思っていましたから…。

私自身は数少ないコルセット使用時には、「痛みが和らいだ」と感じていましたが、確かに急性期独特の日常生活での動きのときに感じる鋭い痛み。その怖さが減り、楽に動けたような記憶があります。

もしかしたら不安なく動きができることにより、痛みが改善していると錯覚する部分もあったのかもしれませんね。

こういったデータがあることを頭にいれつつ、今後のクライアント指導にも役立てたいな~と感じています。

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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