いつもと少し毛色は違いますが、
Twitterで呟いた内容に、多く
の専門家の方から反響をいただいた
ので、スクワットに関して私が考
えていることを共有しようと思い
ます。
いつも口にしていることですが、
やはり「目的と手段」というと
ころに終始することですよね。
前述のツイートに対して、元千
葉ロッテ投手の小林亮寛氏が、
「動作が向上しないと意味がな
いですもんね」
とコメントをしてくれました。
当たり前のことのはずなのに、
目的と手段が整理できていない
人はけっこういます。
また真面目な選手ほど、
「トレーニングに没頭するこ
とで自分を納得させる」と
いう悪循環になりがち。
亮寛くんのこのコメント、多
くのトレーニング指導者や
コーチに我が事としてしっか
り覚えておいて欲しいです。
指導者が、テキスト通りの杓
子定規な文字通りの指導しか
できなかったら、一番迷惑を
こうむるのは必死に歯を食い
しばって頑張る選手ですから。
下腿長(膝下の長さ)がある
選手であったり、骨盤後傾
が強いクライアントであれ
ば、高重量を扱うと膝がつ
ま先を越えていくケースも
出てきます。
膝のせん断力が高まると、怪我
をするリスクは高まるので、
股関節の引き込みや肩甲骨の
パッキングが十分でない選手に
対しては、当然ですが丁寧に
指導をしフォーム矯正していく
必要はあります。
しかし、スクワットをする
大部分の選手は、
「スクワットをするために
スクワットをしている」
わけではありません。
何が目的なのか、その手段と
して選択したスクワットに
どんな基準を設けるのか。
トレーニングの専門家は、
全てのプログラムデザインに
「目的と手段」という意識を持つ
べきです。
そのためにも、基礎としての知識
を身につけたうえで、
・いけると思ったレップ数の最後の1回で急に「くすぐったくなったように力が入らなく」なって、ニーインしたスクワットでフィニッシュしてしまった。
・バーを把持するグリップや脇の下を固める意識を変えただけで、今までよりも力強くスクワット挙上に成功できた[/box]
泥臭いけれど、自分が汗水たらし
て体験した一次情報が大切。
知識+経験=知恵、です。
知識だけで語っても選手の心に
伝わる指導ってできないもの。
回り道のようでも、一回でも
多くバーやダンベルを持ち、
1.25kgでも重い重量で自分
の体で体感しましょう。
【スクワットに関する考察はこちらの記事もご覧ください】
スクワットの深さにこだわれ!結果につながる理由、スポーツトレーナーが教えます
ちょっと乱暴ですが、自分
の身体感覚を含めた経験則
での今回の投稿。
これに関連して、NSCA
のHPCブログにて、面白い
論文の紹介をしてくれてい
ました。
こういったマニアックな論文
にありがちな、被験者数の
少なさはあるものの、
「膝がつま先を越えるスク
ワットが必ずしも悪くない」
という見解もあるという
後ろ盾になると思います。
お時間ある際にabstract
(要約)だけでも読んでみて
ください。
参考論文はコチラ⇒Effect of Knee Position on Hip and Knee Torques
繰り返しますが、
「どんな場合であれ、膝とつま
先の基準なんて無意味だ!」
みたいな乱暴なことをいうつもり
は全くありません。
特異的なスポーツを行っている
選手にとって、スクワットは超
有益だけど、加速であったり
パワー発揮に必要な1つの手段。
それならとにかく、
「お、お尻を使って床を押す
ってこんな感覚なんだ!
太もも前よりもお尻が効くん
じゃん!!わかったぞ!」
と思ってもらうことの方が、
教科書的な美しいフォームで
スクワットができるよりも
何倍も大切。
自分が選択した手段を無自覚
に目的化して、結果的に選手
に迷惑をかける。
ミスのない人間はいませんが、
この類の失敗は本来許される
べきものではないはず。
皆で謙虚に自戒しつつ、クラ
イアントの役に立ちましょう!
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