先日、あるセミナーが終了した後のこと。積極的な態度で終始集中してくれていた受講者のトレーナーさんから相談を受けました。

テクニックなどの質問があった後、最後になって

「自分でもいけない!とわかっているですが、思った通りのエクササイズ動作ができないと自分が許せないんです。とても落ち込んでしまって…クライアントに対しても、『こうなったら危ないので胸を起こしましょう』といった直後に平気でその動作をされたりすると、『本気で取り組んでくれてるのかな?』とつい感情が動いてしまって…

といったなかなか重たい相談がありました。

彼に関しては、どうも自我を形成する過程でトラウマ的なものがある雰囲気だったので

「自分の本質をよく考えてみたら解決するかもよ。たぶん本当はそんな風に考える自分の理由は分かっているかもしれない。無意識にわからないように目を背けている気がするから、ま、相手云々じゃなくて考えてみたらいいよ」

そう答えました。

相手の真剣な雰囲気をさらに追い込みたくはなかったので、ことさら軽い口調と雰囲気で伝えたつもり。それでも帰りの電車の中で「どうしたら彼が今より楽に『パッと人を勇気づける』雰囲気を携えるようになるかなぁ…」と考えていました。

努力家で実技の能力も高かったので、何だかもったいないなぁと思っちゃったんですよね…

 

自分をより理解し成長するための提案5つ

そこでこんなこと大事だよね、自分もやってたり現在進行形でやっているし…といったことを5つ挙げてみようと思います。参考になればいいですけれど…

1.自分への思いやりを持つ

考え方そのものは、その人の感じ方や行動の仕方に影響を及ぼします。必要以上にうまくできないことで自分を責めたり、常に相手に対して求める水準が高いと、今度は自分で自分を抑え込んでしまうようになるわけです。

自分自身に対して、まずは思いやりのある気持ちで接するようにすること。地味ですがこれが一番重要。徐々に自己肯定感が増してくれば、再びやる気が出てポジティブにチャレンジしようという気持ちになるでしょう。

 

2.「自分の感情」に目を向ける

生真面目なトレーナーさんほど、自分とは異なるタイプの人の考え方や行動に敏感に反応しがち。「何でこの動きだけには気をつけましょうって言ったのに平気でやっちゃうんだろう?」という前述の彼の思考は典型的ですよね。

相手に対して「何で?」という感情をぶつけても問題は解決しませんし、その感情をただ抑えつけてもストレスになるだけ。

自分のこの感情は怒りなのか、悲しみなのか。それとも「無視された」ような喪失感で何かの記憶を思い出してしまうのか。

自分の中に湧き上がってきた情動をどういったタイプのものなのか、分析する癖をつけると傾向が見えてくるはず。

3.内省するための時間を持つ

1日15分でいいから、自分だけの内省の時間を持つことも大事。私の場合、単身赴任を経験してからこの時間がより簡単に取れるようになり、習慣化しました。

大きな感情の波にはならなかったけど、あの選手との会話は少し軽率だったな、職場での話としては軽はずみだったな(←私の反省はこればっかり…)。

その日の発言や行動を振り返り、どんな日だったか、どんな気づきがあったかを考えて明日の行動指針に思いを馳せる。

わずかな時間でもこの積み重ねが大きいです。

 

4.具体的な週ごと、一日ごとの目標を設定する

「週に1回親に電話する」、「怒りを覚えたら6秒数える」などの目標を決めるのも有効です。

ちなみに、この目標は「週3回は筋力トレーニングをする」、「1週間ごとにウエイトの重量をわずかでも増やす」といったTHE仕事!というものでないほうがいいと思います。

あくまで「人間として成長するため」の目標設定を優先するのがポイントです。

 

5.感謝できる3つのことを毎日挙げる

4とかぶっているのですが、やはりキーワードは「感謝」。人が人らしくいるためには「ありがとう」って一番必要な気持ちです。

「毎日ありがとうを5回言う」みたいな気恥ずかしい目標を私も立てていますが、毎日寝る前に感謝できることを3つ挙げる。これも精神安定剤のような働きをします。

悔んだり悩んだりしながら布団に入るんじゃ自分がかわいそう。誰かや何かに感謝して、ちょっと無責任に「よし、明日明日!」と考えられたら素敵ですよね。

私自身、本当に小心者なのでなかなかその域には達しませんが「感謝できること3つを挙げる」を心がけています。

クライアントはそれが例えトップレベルのアスリートであれ、トレーナー業の専門性やスキルで我々を選んでいるわけではありません。

「他の靴よりも高いし、かぶることも多いんだけどどうしてもニューバランスのスニーカーを買っちゃうんだよ…全然飽きないしかわいいでしょ?」

そんな気持ちで購入する商品と似たところが大いにあるんです。

人は価値そのものだけじゃなく、感情で商品やサービスを購入します。

トレーナーとしてのスキルや知識を充実させるのは当然の努力ですが、「この人だとためらわずにトレーニングができる」、「ちょっと失礼なところもあるけど人が良くて会いに来るのが楽しみ」といった要素も同じくらい大切ですよね。

だから相手に「神経質そうだな」、「ちょっと機嫌を損ねたのかな」、「少しとっつきづらいな…」などの印象を持たせること自体がマイナス。

クライアントに気を遣わせてしまうレベルになったら本末転倒であり、専門家としても失格です。

そう考えると、自分の中の「健全で前向きな部分」を引き出す努力はトレーナー業にとっては専門性と同様に重要。

追い込む必要はありませんが、「この取り組みも商品力アップのうち!」と軽やかに考えて、自分を理解することから始めてみましょう!

 

まとめ

・真面目な人の話は聞いていても「大変だ…」と力入っちゃう

・トレーニングをコツコツ重ねていける人は自分のネガティブな部分も絶対克服できる

・真剣に改善や成長を試みて、仲間やクライアントの前では「軽やかに」「人が集まりたくなるような気を発した」人でありたい

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。









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