乾燥し寒くなってくると増えるの
が、風邪やインフルエンザの罹患
者。
よくトレーニングをしている人や
アスリートほど、俗にいう風邪に
よくかかる印象ってありませんか?
・体を守る作用がある脂肪が一般
的に少ない
・高強度のトレーニングを継続す
るため、体の免疫機能を高める副
交感神経の働きが弱い
などという理由。
なるほどなぁと思う半面、これだ
けでは腑に落ちない部分がありま
した。
2018年12月末に送られてきた、
NSCAジャパンの機関誌である
ストレングス&コンディショニ
ングジャーナルに、とてもわか
りやすく面白い記事が掲載されて
いましたので、私のアウトプッ
トとして情報をシェアしたいと
思います。
参考文献:Strength & Conditioning Journal 2019年1・2月号 P18-23
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2019/01/IMG_8744-1.jpg?resize=300%2C225&ssl=1)
免疫力の指標となりうるSIgA
風邪やインフルエンザなどの感冒。
総称して「上気道感染症」という
正式名称があります。
オリンピックや世界大会などで、
上気道感染症に罹患し、チーム
全体に広がってしまう、といった
ケースは実際に起こりやすいもの。
一般的なガイドライン同様、
充分な睡眠と栄養、手洗い・うが
いなどは徹底しているものの、
やはり目安となる指標や原因、
具体的な対策などは知りたいで
すよね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2019/01/sick_guai_warui_man.png?resize=255%2C255&ssl=1)
そこで重要な役割をもつのが分泌
型免疫グロブリンA(SIgA)です。
SIgAは、唾液、鼻汁、汗などの
分泌液に存在し、病原体が粘膜か
ら入ってくるのを防いだり、毒素
の中和作用をもっているため、
粘膜免疫の指標として考えられて
いるのだそうです。
このSIgA、最近は簡易検査キット
が開発されて、10分ほどで免疫機
能評価ができるとのことですが、
チーム単位で全員測定となると、
まだまだ現実的ではないですよ
ね。
そこでおおまかな評価ができる
であろうポイントも、本誌では
紹介してくれていました。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2019/01/mark_checkbox3_blue.png?resize=230%2C189&ssl=1)
SIgA低下のサインになるもの
[box class=”yellow_box” title=”SIgA低下のサイン”] 1.休養後の回復の程度2.寝つきや寝起きの良し悪し
3.口渇感(安静時の口の乾き、唾液のネバつきなど)[/box]
2.の睡眠に関するものとして
は、睡眠効率がSIgAと相関関係
があるのが判明。
この3つに関しては、選手が
セルフチェックとしてできる
もの。
私が関わるチームでは、クラウ
ドシステムを利用した体調管理
を活用しているため、風邪が流
行する時期の1~3の要素を特に
注意深く見ていくことで、ある
程度対応できますね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2019/01/smartphone_suwaru_man.png?resize=215%2C254&ssl=1)
合宿時こそ気をつけるべき上気道感染
誌面にはSIgAが低下する原因が
紹介されています。
1.高強度運動
2.高地滞在
3.脱水を伴う減量
4.無月経アスリート
5.長距離移動
詳細を説明していくのは、本誌
を実際に見てもらうとして、
私が改めて感じたのは、
「やはり合宿時にこそ感染の
予防をすべきだなぁ」とい
うもの。
SIgAが低下しやすい、ハード
ワーク、長距離移動、脱水し
やすい時期(G.Wや夏季)な
ど、複数要素が関わってくる
からです。
女子選手で長距離を専門とし
ている場合などは、高地滞在
や無月経という条件も当ては
まる可能性があります。
合宿時にのみ、ちょっと面倒
に感じるかも知れませんが、
RPE(主観的疲労度)だけで
なく、口渇感や体重の変化
など、毎日細かくチェックし
ていくのは有効ですね。
![](https://i0.wp.com/yuji163.com/wp-content/uploads/2019/01/IMG_6445.jpg?resize=276%2C207&ssl=1)
注目すべき乳酸菌B240
指標となるSIgA。
[box class=”glay_box” title=”唾液SIgAへの効果”]唾液SIgAを調べると、継続的な乳酸菌B240の摂取により高まり、上気道感染のリスクを減らすと報告されている。
【参考文献】Shinkai. S., M. Toda, T. Saito, M. Tsubouchi, K. Taira, K. Kakumoto, T. Inamatsu, H. Yoshida, Y. Fujiwara, T. Fukaya, T. Matsumoto, K. Tateda, K. Yamaguchi, N. Kohda, and S. Kohno.
Immunoprotective effects of oral intake of heat-killed Lactobacillus pentosus starin b240 in elderly adults: a randomised, double-build pracebo-controlled trial. Br. J. Nutr. 109: 1856-1865. 2013
大事な時期を迎える前、免疫を高
めておくために、試合1ヶ月以上
前から意識的に乳酸菌B240を
とり続ける、というのはピーキ
ングが必要なスポーツでは有効で
しょう。
最近市販されたものでいえば、
大塚製薬から発売が始まった
「ボディメンテ」が乳酸菌B240
を含んでいます。
ゼリー飲料としても出ているので、
陸上やトーナメント型の公式戦ス
ポーツの選手には期間限定で摂取
するよう、アドバイスしていこう
と考えています。
ビタミンAやDの摂取を大切に
する、などもっと細やかなポイ
ントも、非常にわかりやすく紹
介してくださっていました。
NSCA会員の人は、ぜひじっくり
と読んでみてください。
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YUJI HIROTA
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