2022年も後残りわずか。ちょっと気が早いですが、本年に読んだ本のベスト3に必ず入るであろう名著を紹介させていただくブログ回です。
その本とは『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』です。
積読の本が数々置いてある中で、優先順位が高いわけではなく、いつ読んでもいいはずなのですが、文春オンラインの記事を読んだ時の一節が、面白すぎて…。
これは読まないとと思い、ポチってしまった一番読みたかった本。初めは軽い気持ちでページをめくり始めたのですが、 結局4時間近くひたらす読み続け、すべきことも忘れて、気が付けば500ページ近い全てを読了していました。
私の父親は元プロ野球選手で、キャリアのスタートは東京ロッテオリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)でした。
落合選手が若い時には、父がまだ東京ロッテオリオンズにいたので一緒のチームでプレーいているわけです。
実際に私が小さい時に一度か二度、オフの期間に落合選手が我が家に来て、一緒に麻雀をしていたこともありました。
そんな自分の父、プロ野球選手だった親に感じていたような、全く理解できない異質な世界というのがあるという事実を改めて思い出すような、緊張感のある本でした。
↑これは父親のレプリカユニフォームを来た、ほぼ体型が同じの私ですw
私自身、26歳の時から7年間、プロ野球の現場にスタッフとして、その独特の世界にどっぷりと浸かることができました。
貴重な体験になったわけですが、1人1人の選手やコーチ、スタッフの苦悩や人生観みたいなものへの影響というのはすごくあるなと痛感してきました。
人間は上手く出来ているもので、当時の苦しかったことは徐々に忘れていくもの。
しかし今思うと、
・その場でただ呼吸するだけ
・その場にいるだけ
それすら苦しいような緊迫感というのが、日常の世界の中にグッと入ってきているような不思議な7年間だったことを思い出しました。
今後、二度と自分が経験することはないでしょうし、正直もうあの緊迫感の中には、この歳になって足を踏み入れたくない。そんな世界がそこにはあります。
これからプロアスリートの世界で仕事をしたいと思っている方にとっては、間違いなく読んでもらいたい本です。
実際の現場の息遣いが分かるような、素晴らしいノンフィクション作品。
ただ500ページ近い本を読み終えても、落合博満さんという野球人を理解するということが、私には全くできないままでした。
著者の方も、結局、落合という人物や人生を一言で言うことは全くできないままだ、ということを、あとがきに書かれていました。
その代わり、全て読み終わった後「圧倒的に上質な異質になれ」という言葉が自然と思い出されたんです。
これは私が手帳に書き込んでいるすごく感慨深い、影響を受けた言葉。
自分らしく生きるということは、耳障りはいいですし、やっぱりみんなが憧れることでもあります。 でも、ほとんどの人が同調圧力に負けたり、世の中の常識に引っ張られてしまうのが実情でしょう。
大多数の人が世の中の「当たり前」に迎合して生きていく中、覚悟をして自分の価値観で、自分として生きていく怖さやしんどさ。アラフィフ世代になった私も日々通関しているところです。
落合博満さんのような人生は送ることは難しいですが、自分の中で折り合いをつけつつも「圧倒的に上質な異質になるんだ!」という意識を持ち続けたい。
何か勇気づけられるように、そう感じられる本でした。
野球が好きな方だけではなく、ビジネスパーソンやプロフェッショナルとして仕事をしていきたいなと思っている方にとっても、とても影響力のある本です。
興味がある方はぜひ読んでみてください!