一鍼灸師としてスポーツ現場にもっと伝えたい東洋医学の効果

2018年1月9日の産経新聞1面に掲載された記事は私にとっても大きなインパクトがありました。

漢方薬や鍼灸といった東洋医学が「伝統医療」として2018年春にもWHO(世界保健機関)から認定される方針になったというニュースだったのです。

 

東洋医学の可能性

まだまだ西洋医学偏重のスポーツ界

治療だけでなくコンディショニングに関しても、西洋医学偏重傾向なスポーツ界。

情報量や絶対数の問題もあり、仕方がない部分はあるでしょう。しかし東洋人である我々日本人が、長い伝統の中で成熟してきた東洋医学の考えをほぼ知らないのは、非常にもったいないこと。

骨格や筋タイプだけでなく、文化や風土といった要素の違いも実は大きいもの。

日本人である我々にフィットしやすい本質のヒントは東洋医学的見地の中に多くある、と私は思っているんです。

 

鍼灸師を目指したわけ

自分の経験や知識の基になっている思想が西洋的知識に偏っていることに危機感を持ったのが2010年のこと。

2011年から3年かけて東洋医学を学び2014年に鍼灸師(正確には「はり師」、「きゅう師」という二つの資格です)免許を取得しました。

取得後、自分が治療家として研鑽を積んでいるかというと全くそんなことはなく、治療家としてはビギナーのままでお恥ずかしい限り。

しかし専門分野であるコンディショニングに東洋的な考え方を導入し、日本人だからこそフィットするであろう知恵やメソッドを今後提供していくつもりです。

 

巨人沢村投手の治療に関する報道について

巨人の沢村投手の登録抹消に端を発した2017年の出来事。多くの人が見解を述べていました。

しかし当時は「トップニュース」扱いの時に少し感情的にもなっていた自分の意見を発信するべきではない、と判断しました。

そもそも球団として発表や対応はどうなのか、ということが問題ですが、また鍼灸に対する偏見や誤解が一般の多くの方に広がったのは事実でしょう。

そんな日本の状況の中でのWHOからの認定のニュース。伝統医療というカテゴリーではありますが、正しい認知がより広がりやすくなるのは間違いありません。

これをきっかけに今まで選択肢になかった漢方や鍼灸といった東洋医学的なアプローチを試したい!という人が増えてくれることを期待しています。

専門家が持つべき緊張感

そんな今だからこそ、鍼灸師一人ひとりが自覚と緊張感を持って患者さんやクライアントに接するべきでしょう。自己研鑽はもちろんサービス業としてのマナーや人としての在り方。そんなものが試されるはず。

こちらもご覧ください→トレーナーにありがちな安直な紹介やお願いに気をつけよう

大きな波がきているときに、専門家一人一人の精度やレベルが低ければ次のチャンスは来ません。

「もっと自分たちの仕事に市民権を!」と叫んでいても、期待を上回る成果という満足を生み出さなければ、それは叶わないですよね。今こそいい危機感を持って蓄えていた力を発揮していきましょう。

翻って全く同じことがトレーナー業界にも言えます。

「トレーナーの地位向上を!」という声は正論。私自身もそのためにどうすべきか、自分に何ができるかを模索し続けています。

チャンスが来た時に本当にクライアントや顧客に満足を与えられる商品力を備えているかどうか。権利を主張するだけでなく「当たり前の高品質」を備えるための努力や工夫は必須でしょう。

常に一定以上のいい緊張感を持って、仕事に臨まなくてはいけませんね。

 

まとめ

・まだまだ認知度が低い東洋医学的な考え方は、とても有益なもの

・伝統医療としてWHOからも正式に認められるのは嬉しいこと

・注目が集まったときこそ、専門家として高品質なものを提供できるかが大切

 

 

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YUJI HIROTA

アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。
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アスリートスポーツの現場をメインに活動するトレーニング・コンディショニングの専門家。「コンディショニングコーチ」ですがスポーツトレーナーといった方がわかりやすいのかも。実は鍼灸師でもあります。

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