ここ最近読書量が増えています。しかし比率は以前とはだいぶ違います。今まで手に取ることが少なかった経済やマーケティングといった内容が増えているのです。
自分自身が商品でありサービスとして役に立ち続けようと思えば、順序こそ違えど結局基本として知らなくてはいけないことは変わらない。そのことに遅まきながら気づいており、積極的にインプットをしているんですよね。
今回読んだ本が『お客様は「えこひいき」しなさい! 3倍売れる「顧客差別」の方法』という本です。極端な気がするタイトルですよね?
…しかし均等が公平ではない。この認識を強めることとなったこの本から感じた事をUPしていきます。
本書の主旨は「ゴマをすれ」、「媚びへつらえ」ということではなく、より自分のサービスや商品を愛用してくださるクライアントに感動や感謝を感じていただこう、というもの。
これって考えてみると、アスリートのスポーツ現場で従事している我々も全く同じ。
ありがたい事ですが、現役時代に特に時間を共にしたり、個別に対応した選手ほど引退後、セカンドキャリアに進んでも交友があったり、仕事まで依頼してくれるもの。
彼らすべてが一流のスター選手だったわけではありません。しかしいずれも共通していたのは「一流のマインドを持った」アスリートだったこと。プロとして一流の選手を厚遇するのは当たり前。スキルはもちろんですが、心構えや覚悟が周りの選手たちよりも「高い」選手をそれ以外の選手と同じように扱っては失礼だからです。
高い感度を持って我々のような専門業からのフィードバックを求めている選手には、通常牛無として重要なマニュアル的に「やらせる」指示はいりません。その分、ピンポイントで彼らをサポートできるような観察眼や気づきを適宜伝えるように心がけています。
現ソフトバンク監督の工藤公康氏に自主練期間中にお話を伺った際のもの
私が本の中で興味を持った考え方がありました。それが「4つの客層」に分類するというもの。
『ファン客層』 『得意客層』 『浮遊客層』 『試用客層』というカテゴリーでした。
ファン客層は上位10%のお客様。下に続く20%のお客様が『得意客層』。全体のわずか3割ほどのお客様だけで、売上高の75%を占めている
…改めて衝撃の%ですよね?
美容院やホテル、治療院などこの比率は多少変動があるでしょう。しかし一般的な自営業において売り上げの75%を占めているのが、全体の30%である「たくさんお金を使うお客様」という事実。これだけ偏りを持った売り上げ構成になっているんです。
…そうであるならば、「関わったお客様全員に等しいサービスをする」というのは正しくないかもしれません。施設や自分という商品を気に入って、よりお金と時間を使ってくださる相手に、プラスアルファのサービスを提供し、今後も利用していただく。
そういった考え方は大事!そんな思いを強くしました。
AIがこれだけ進化を遂げ、ロボットでの対応を「ある種の見世物」として展開している「変なホテル」のようなスタイルではなく、リアルに全てがAIで処理できるサービス。今後次々と展開されていくことでしょう。
自動化が進む時代になるからこそ、人が求めるのは「心のえこひいき」。値引きやポイント還元では人は喜ばないはず。いかに『ファン客層』に、「このサービスを他の人にも紹介したい!」と思わせるか。そういう観点を大切にしたいです。
本日紹介した本、サービス業に関わる方にはもちろん、専門家としてチームやアスリートと関わっているトレーナー業にも大いに参考になるものでした。読みやすい文面で、本の中でも多くの参考文献を紹介しています。一度ぜひ読んでみてください!